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「どうしたんだ!」
木の実やキノコを両手いっぱい集めてもどってきたカルビが、倒れているスターシアを発見した。
「スターシア!」
と、手を触れて驚いた。スターシアは全身が硬質な光を放つ宝石と化していた。
「なにが起こったんだ!」
カルビは叫んだ。
そして「ナムルーッ!」と大声で呼んだ。
スターシアを守るべきナムルがどうしていないのだとカルビは頭のなかが混乱した。
「ナムルーッ! どこにいるんだナムルーッ」
と、あたりを見た。
「スターシア! 返事しろよッ!」
カルビはスターシアの肩をゆすりながら声をかけた。
「ナムルーッ! スターシアッ!!」
森の奥に声をかけ、目の前のスターシアに必死に呼びかける。
「いったい何があったんだーッ!」
カルビは自分の髪をかきむしった。
「バカヤローッ! ナムルーッ! スターシアをほっておいてどこ行ったんだよーーッ!」
そのとき突然、スターシアの体の中からブァーンとナムルが飛び出してきた。
「イテテテテッー」
地面に尻餅をつきながらナムルが吠えた。
「ど、どひゃーッ! なんなんだよナムル……」
カルビが目をむいた。
「あっ! カ、カルビーーッ!」
山の神でありながら、黒い翼を持った虎のナムルが、まだ少年の面影の残るカルビにしがみついた。
「スターシアはどうなってるんだ!」
「森夢だ……、森夢に冒されて……宝石化しちまったんだ!」
「森夢だって!」
カルビも山育ちだから、森夢の存在は十分に知っていた。
「そうだ、うかつだった……」
「あっ! そうか! スターシアは海の人間だ! しまった……」
カルビは唇を噛んだ。
「深く冒されちまってるんだ……だから宝石化してる……」
スターシアの状況がよくないことは山の神ナムルの深刻な顔で十分にわかった。
「どうにかならねぇのか?」
カルビはスターシアの冷たく輝く髪に触れた。どうにも悲しかった。せつなかった。くやしかった。シーアスの姫として何不自由なく暮らしていたであろうスターシアに、自分がかかわったばかりに、こんなことになってしまったと、カルビはカルビなりに心を痛めていた。
「宝石化を解くには森夢を追い出さねぇとな……」
「おめえ! 山の神だろッ!」
カルビの声が荒い。どうにもできないイラ立ちをナムルにぶつけた。
「す……すまん…一応……オレもオレなりにやってみたんだが……」
ナムルが肩を落とした。
「ヘッ! 女の子ひとり助けられねえで、それでよく山の神だなんてエラそうに翼なんかパタパタさせてられるよなッ!」
「なんだとッ!?」
さすがにナムルもムッとした。カルビの気持ちは痛いほどわかる。だが、ナムルにだってプライドってものがある。それに、カルビがいない間、命をかけてスターシアを助けようともした。
「インチキ山の神が……」
「カルビッ! もう一度言ってみろッ!」
「ああ、何度でも言ってやらぁ!」
「じゃ、人間のお前がなんとかできるってのかよッ!」
「……ご……ごめん……」
カルビがスターシアの宝石化した肩をやさしくさすった。
「すまん……おれがふがいないばっかりに……それに……森に入るときにもっと注意すりゃよかったんだ……」
ナムルがうなだれた。
「過ぎたことはしようがない……それより、なんか方法はないのかなぁ……」
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