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ICON 新二都物語カルビサーガ 第90話

 カルビの拳から放たれたキラキラと輝く青白色の光の束が、グイイイイイイイイインとのびて、ガッデムを直撃した。
「どあああああああああああああ!」
 叫んで、ガッデムがスターシアを離した。
「どあああああああああああああ!」
 ガッデムの体が光につつまれてゆく。
「どあああああああああ……………」
 消えた。
〈銀の皇帝〉ガッデムが消滅した。
「な、なにがどうなったんだ?」
 びっくりしたカルビは、腰を抜かした。
「うわああああああああああああああ!」
 ガッデムの部下たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げた。
 がらんとした広場に、三人だけが残った。
 ナムルはスターシアを抱えた。
「しっかりしな。勇敢なお姫さま」
 ナムルにしては最大級の敬意を表した。
「う、うう……」
「だいじょうぶか?」
「ええ……でも、からじゅうがバラバラになりそう……」
「よくがんばってくれた」
「カルビは?」
「ああ。もうだいじょうぶだぜ。以前よりさらにパワーアップしやがった。どうもあいつはこの大地に愛されているらしいよ」
「パワーアップしたの?」
「そのうちにわかる」
 と、ナムルが優しい笑みを浮かべた。
「スターシア!」
 カルビが駆け寄った。
「だいじょうぶよ。心配しないで」
「俺、スターシアに迷惑かけた……」
「そんなことないよ。カルビ」
「これから、もっと、スターシアを守るよ」
 その言い方が子どもっぽくておかしかった。
 くすっとスターシアが笑った。
「ばーか」
 と、ナムルがカルビの頭を軽く小突いた。
「いってえ」
 カルビが口をとがらせた。
「あはは」
 スターシアが笑った。
 その笑いでカルビもナムルもほっとした。
 しかし、スターシアの顔色はあまり良くなかった。
「さて、ここを出よう」
 ナムルが言った。
「そうだな。魔法教会の逆襲にあうかもしれないし」
「スターシアはオレが背負う」
 ナムルが言った。
「ごめんね」
「いいんだ。仲間じゃねえか」
 はじめて、ナムルがスターシアを仲間だと認めた。
「どこに行くんだ?」
「昔オレが住んでいた霊山だ」
「よし! 行こう」
「その前によ、ちっと、俺の背中の翼がな、調子わるいんだ……」
「気にするなよ。なら歩けばいいんだからさ」
 カルビが先になって〈銀の皇帝〉の山城を後にした。


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