| 「ぐおおおおおおおおおお!」
魔物化したかわいい魔女ウキウキがいきなりもだえた。
「な、なんだ?」
虎のナムルも心の準備ができていなかったのか、ひどく驚き、アランに対する攻撃の手をゆるめた。
「し、しまった……もう五分たっちゃった……」
そうなのだ、ウキウキが巨大な魔物に変身できる時間は五分なのだ。
「そ、そんなんで、戦いになるかよ!」
ナムルがあきれた。
「あははははは。この戦いはもらった!」
アランが笑いながら、バキッ! とウキウキの顔を殴った。
「あうっ……」
ウキウキは、力なく倒れ、しだいに小さくなってしまった。魔女の力を変身で使い果たしていた。
「あっ! ウキウキ!」
ナムルが心配したそのスキをついて、アランはガシッとナムルをつかまえた。
「まさか、ゆるせないと言うつもりじゃないだろうな?」
「ゆ、ゆるせねえな! テメーのやり方は!」
「あはははは。こりゃ、お笑いだ。戦いは殺すか殺されるかだぞ!」
「それでも、かけらくらいマナーがあんだぞ!」
「なにを寝ぼけてやがる! これでも喰らえっ!」
アランが髪の毛を逆立て、体中から青い稲妻を放電した。
バリバリバリバリッ!
「ぐあああああああああああ!」
ナムルの体中の毛が逆立った。
焦げ臭い匂いがあたりに立ちこめた。
「さらに!」
バリバリバリバリッ!
「ぐえええええええええええ!」
黒焦げになった。
「まだまだ!」
バリバリバリバリッ!
「はうっ………………」
バリバリバリバリッ!
バリバリバリバリッ!
しつこいほどのアランの放電攻撃だった。
プシュッ……
なんと、ナムルが消滅した。
燃え尽きてしまったのか。
とにかく消えた。
「あははははははは!」
勝利を確信したアランが気持ちよさそうに笑った。
そして、足下に倒れているウキウキを見つけ、踏みつぶした。
グリッ!
ひねりをくわえる。
グリグリグリッ!
「私に逆らう者は死ぬんだ!」
魔血衆のアランはうれしそうだった。本当に残酷なことが大好きなのだ。
「あああ、気持ちがいい……」
心からそう思った。その瞬間に、アランの体が薄くなり、だんだんと消えていった。
魔界の者は、快楽を感じると、魔界にもどっていかねばならなかった。
シーアスに一瞬の静けさが返ってきた。
だが、すぐに軍靴の音が響いてきた。
王が逃げたので、軍人たちがあちこちを制圧しはじめた。
まず、手始めに、貴族たちが広場に引き出される。
彼らは財産と身分を剥奪され、着の身着のままで国を追放された。
これが軍事革命のはじまりだった。
スターシアの革命は、その意志とはまったく違う形で暴走しはじめたのだ。
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