c マル天.com/新二都物語カルビサーガ第69話  
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ICON 新二都物語カルビサーガ 第69話

「ぐおおおおおおおおおお!」
 魔物化したかわいい魔女ウキウキがいきなりもだえた。
「な、なんだ?」
 虎のナムルも心の準備ができていなかったのか、ひどく驚き、アランに対する攻撃の手をゆるめた。
「し、しまった……もう五分たっちゃった……」
 そうなのだ、ウキウキが巨大な魔物に変身できる時間は五分なのだ。
「そ、そんなんで、戦いになるかよ!」
 ナムルがあきれた。
「あははははは。この戦いはもらった!」
 アランが笑いながら、バキッ! とウキウキの顔を殴った。
「あうっ……」
 ウキウキは、力なく倒れ、しだいに小さくなってしまった。魔女の力を変身で使い果たしていた。
「あっ! ウキウキ!」
 ナムルが心配したそのスキをついて、アランはガシッとナムルをつかまえた。
「まさか、ゆるせないと言うつもりじゃないだろうな?」
「ゆ、ゆるせねえな! テメーのやり方は!」
「あはははは。こりゃ、お笑いだ。戦いは殺すか殺されるかだぞ!」
「それでも、かけらくらいマナーがあんだぞ!」
「なにを寝ぼけてやがる! これでも喰らえっ!」
 アランが髪の毛を逆立て、体中から青い稲妻を放電した。
 バリバリバリバリッ!
「ぐあああああああああああ!」
 ナムルの体中の毛が逆立った。
 焦げ臭い匂いがあたりに立ちこめた。
「さらに!」
 バリバリバリバリッ!
「ぐえええええええええええ!」
 黒焦げになった。
「まだまだ!」
 バリバリバリバリッ!
「はうっ………………」
 バリバリバリバリッ!
 バリバリバリバリッ!
 しつこいほどのアランの放電攻撃だった。
 プシュッ……
 なんと、ナムルが消滅した。
 燃え尽きてしまったのか。
 とにかく消えた。
「あははははははは!」
 勝利を確信したアランが気持ちよさそうに笑った。
 そして、足下に倒れているウキウキを見つけ、踏みつぶした。
 グリッ!
 ひねりをくわえる。
 グリグリグリッ!
「私に逆らう者は死ぬんだ!」
 魔血衆のアランはうれしそうだった。本当に残酷なことが大好きなのだ。
「あああ、気持ちがいい……」
 心からそう思った。その瞬間に、アランの体が薄くなり、だんだんと消えていった。
 魔界の者は、快楽を感じると、魔界にもどっていかねばならなかった。
 シーアスに一瞬の静けさが返ってきた。
 だが、すぐに軍靴の音が響いてきた。
 王が逃げたので、軍人たちがあちこちを制圧しはじめた。
 まず、手始めに、貴族たちが広場に引き出される。
 彼らは財産と身分を剥奪され、着の身着のままで国を追放された。
 これが軍事革命のはじまりだった。
 スターシアの革命は、その意志とはまったく違う形で暴走しはじめたのだ。


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