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ICON 新二都物語カルビサーガ 第68話

 巨大なナムルとアランが組み合っている。
「こんにゃろーーーーーーーっ!」
 いきなり、でっかくなったウキウキが突進してきた。
「い、生きてたのか……」
 ナムルはウキウキの乱入に驚いた。
 できたら再会を喜びたかった。だが、ナムルには魔女アレルギーがあった。魔女が近づくと、体が震えるのだった。
 ガシッ!
 と、ウキウキがアランの首をしめた。
「ぐぐぐ、ぐるじい……」
 アランはナムルの首をしめた。
「く、苦しい……」
 ナムルはアランのボディーに拳をたたきこんだ。
 バシッ! バシッ! バシッ!
 巨大な3人がシーアスの中心部をガッシャン、ボッカンと壊す。
 その様子は、港にいた漁師たちも見つめていたし、城にいるアブラック三世も目撃した。
「このシーアスをつくった者でもなく、住んでいる者でもないヤツらがシーアスを壊している……」
 アブラックはダジャレを言う気持ちにもなれなかった。
 自分の王としての力のなさを感じた。
「まあ、しかし、これは天災ということにしよう。あまりナーバスになると胃を悪くするからな」
「王さま! た、大変です! 軍隊が……城に乱入してきました……」
 叫びながら、侍従が部屋に飛び込んできた。
「バカなやつらだ。混乱して秩序まで乱している……」
「王さまの首を斬ると……」
「俺の首でおさまるなら、とうの昔に斬られているわ!」
「いかがいたしましょう!」
「逃げる!」
「は?」
「逃げるんじゃ!!」
 アブラックは机の上にある王の指輪をはめて、紙になにやらメモをするとクリスタルの灰皿の中で燃やした。
「さあ、わたしの文字よ! グリフォンのもとへ行け!」
〈文字飛ばし〉の秘技だった。
「さあ、あとはグリフォン男爵が受け入れてくれるはずじゃ。しばらく、どこかに隠れていよう……」
 アブラックはククリの手を引こうとした。
「なんで逃げるのよ! この国はわたしのものよ!」
 ククリがちょっとヒステリックに叫んだ。
 なんか勘違いしているようだった。
(女はすぐにつけあがる)
 と、アブラックは思った。
 だが、男もずるい。
「生きてれば、いつでも国など手にはいる! わしは王なのじゃ!」
 この期に及んでも、王であることを誇り、女の気を引こうとしていた。
「…………」
 ククリは不満だった。
 アブラックの権力がなくなっていることに気づいていた。
「早く!」
 しぶしぶククリは立ち上がった。そうするしかなかった。貧乏な家から、王の愛人にのしあがったのだ。こんなことでその地位を捨てるわけにはいかなかった。
(そうよ! アブラックさえ生きていてくれれば、また国がつくれるんだわ!)
 王位はまだアブラックにあるのだ。
「王さま! 逃げましょう!」
 今度はククリがアブラックの手を引っ張った。
 こうして2人は、隠し扉の奥に消えた。


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