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シーアス城から西、丘の上にそびえるナラヤーナの樹の下にスターシア姫とカルビとナムルがいる。
結局スターシアの決起は手遅れだったと言うことか。
そのとき、ドーーーンと砲撃の轟音が大地をゆるがした。
「なにっ!」
ナムルが牙をむいた。
「くそっ! やつらキレたらしいぜ!」
「おっしゃ、こっちも本気出すか!」
「そうだ! ウキウキおいてきちゃった……」
と、カルビがあわてた。
何かの縁で仲間になったんだ。その仲間を見殺しにはできなかった。
「魔女なんかほっとけ!」
「バカ! そうはいくかよ」
と、カルビが答えた。
「ネコットもカルナックもいるわ!」
スターシアがどうしようという顔でカルビを見た。
ドカーーーーン!
と、スターシアの近くで爆発が起こった。
「あっ!」
爆風がスターシアを吹き飛ばした。
「スターシア!」
カルビが走る。
ドカーーーーン!
ドカーーーーン!
ドカーーーーン!
集中的な砲撃が襲ってきた。
ジグザグに走ったカルビが倒れているスターシアを抱えた。
「ちくしょう!」
カルビの目が燃えていた。
その目に映ったのは、敵軍の黒いかたまりだった。
シーアス軍2000人が迫っていた。
「たった3人に2000の軍隊かよ。こりゃいいや。笑わせてくれる」
ナムルがバサッと黒い翼を広げながら言った。
「どうする?」
カルビが駆け寄った。
「空から蹴散らすさ。いいか、おまえたちは丘の反対側に逃げろ!」
「じゃあ、ウキウキたちは?」
「いまは、そんなこと言ってる場合じゃねえっ!」
「……ナムル」
「いいか! 俺が飛んだら、走れ! おまえたちが生きていれば、きっとチャンスがある! ムダ死にはするな!」
「だけど……」
「ぐずぐず言うな! これは命令だ!!」
有無を言わせぬ力がナムルの言葉にはあった。
バサッ! と黒い翼が広がり、ナムルが舞い上がった。
「カルビ!」
と、スターシアがうながしていた。
「くそっ!」
カルビがくやしさをいっぱいにはき捨てた。
「カルビ、行こう!」
スターシアがカルビの手を握った。
「ナムルーーーーーっ!」
その声を聞きながら、天空を飛んだナムルが口から炎を吐いた。
凶暴な炎が、ゴウゴウと音をたててシーアスの兵をなめた。
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