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ICON 新二都物語カルビサーガ 第63話

 シーアス城から西、丘の上にそびえるナラヤーナの樹の下にスターシア姫とカルビとナムルがいる。
 結局スターシアの決起は手遅れだったと言うことか。
 そのとき、ドーーーンと砲撃の轟音が大地をゆるがした。
「なにっ!」
 ナムルが牙をむいた。
「くそっ! やつらキレたらしいぜ!」
「おっしゃ、こっちも本気出すか!」
「そうだ! ウキウキおいてきちゃった……」
 と、カルビがあわてた。
 何かの縁で仲間になったんだ。その仲間を見殺しにはできなかった。
「魔女なんかほっとけ!」
「バカ! そうはいくかよ」
 と、カルビが答えた。
「ネコットもカルナックもいるわ!」
 スターシアがどうしようという顔でカルビを見た。
 ドカーーーーン!
 と、スターシアの近くで爆発が起こった。
「あっ!」
 爆風がスターシアを吹き飛ばした。
「スターシア!」
 カルビが走る。
 ドカーーーーン!
 ドカーーーーン!
 ドカーーーーン!
 集中的な砲撃が襲ってきた。
 ジグザグに走ったカルビが倒れているスターシアを抱えた。
「ちくしょう!」
 カルビの目が燃えていた。
 その目に映ったのは、敵軍の黒いかたまりだった。
 シーアス軍2000人が迫っていた。
「たった3人に2000の軍隊かよ。こりゃいいや。笑わせてくれる」
 ナムルがバサッと黒い翼を広げながら言った。
「どうする?」
 カルビが駆け寄った。

「空から蹴散らすさ。いいか、おまえたちは丘の反対側に逃げろ!」
「じゃあ、ウキウキたちは?」
「いまは、そんなこと言ってる場合じゃねえっ!」
「……ナムル」
「いいか! 俺が飛んだら、走れ! おまえたちが生きていれば、きっとチャンスがある! ムダ死にはするな!」
「だけど……」
「ぐずぐず言うな! これは命令だ!!」

 有無を言わせぬ力がナムルの言葉にはあった。
 バサッ! と黒い翼が広がり、ナムルが舞い上がった。
「カルビ!」
 と、スターシアがうながしていた。
「くそっ!」
 カルビがくやしさをいっぱいにはき捨てた。
「カルビ、行こう!」
 スターシアがカルビの手を握った。
「ナムルーーーーーっ!」
 その声を聞きながら、天空を飛んだナムルが口から炎を吐いた。
 凶暴な炎が、ゴウゴウと音をたててシーアスの兵をなめた。

 


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