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「もう泣かないよ」
と、スターシアは言った。
「ああ。それがいい」
ナムルがカルビの固まった体を草むらに横たえながら答えた。
ナラヤーナの樹の下だった。
月の光が照らしている。
「カルビは大丈夫なの?」
スターシアは心から心配した。
「わからん」
「なんで? あなたは……」
と言いかけて、スターシアは言葉を飲み込んだ。
ナムルを責めてもしかたなかった。
「俺の力じゃ、この術は解けん……」
ナムルが腕組みをして難しい顔をした。
「助けられるよね」
「どんなことをしても助ける!」
固まったカルビの体をナムルはさすった。
「友達っていいな」
「そんなんじゃない」
「友達でしょ、二人は……」
「俺はこいつを食った。そして天罰があたり俺は死にそうになった。自分が助かるために、こいつに命を一つやって、俺は助かった。そういう仲なんだ。なにが友達だ……そんな安っぽいもんじゃねえ」
ナムルは必死でカルビの体をさすりつづけた。
「…………」
スターシアもカルビの体をさすった。
「こうやっていると、助かるような気がするんだ」
ナムルがつぶやいた。
「うん」
「ちくしょう! 俺がもっと早くかけつけてりゃ……カルビ! 死ぬんじゃねえぞ! このバカ野郎!」
カルビとナムルはつまらない口げんかで絶交したのだ。
くやんでいた。
背中の黒い翼がしょんぼりとしていた。
「ねえ! これ……」
と、スターシアが声を上げた。
カルビの石のような体に変化が見られた。
「カルビ!!」
ナムルは叫んで、必死にカルビのからだをさすった。
「ううう……」
カルビが小さく声を出した。
「カルビ!」
スターシアが呼びかけた。
「うわっ!」
大きな息を吐いて、カルビが飛び起きた。
「カルビ!」
ナムルがのぞき込んだ。
「ナムル……」
カルビがナムルに抱きついた。
「こ、こいつめ……心配かけやがって」
ナムルはカルビをきつく抱きしめた。
やっぱり、これは友情なんだとスターシアは思った。
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