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「姫は教会となぜ全面対決をいたすか!」
司祭フルブが祭壇の奥から姿を見せた。
「それは……魔法教会が正義を行わないからだ! 国が守ったはずの教会が、いつのまにか国を動かそうとしたからだ!」
スターシア姫が答えた。
「姫よ。教会は真理を持っています。まさに国が真理を見失ったときは、教会が国を支えねばなりません」
フルブの甘い言葉とは裏腹に、教会は幾つもの悪を行っていた。
王宮騎士団を怪物化する計画も、そのひとつである。
「我ら教会は、数々の困難をシーアスの国とともに乗り越えてきました。さあ、あなたも祈ってください。国のために命を落とした人々のために……さあ、姫よ! 神の前に祈りを!」
やさしく説得力のある慈悲深い言葉が、スターシアの行動をにぶらせる。
それだけではない。
スターシアに神の存在を見せてしまうのだった。
教会の僧たちは、言葉で人の心をあやつるのだ。
「スターシア!」
カルビの声が、フルブの言葉をさえぎった。
「おのれは! 山の者だな!」
フルブの声が荒くなった。
憎しみの色があった。
長年の修行の末に生み出された司祭の言葉を、カルビの野性の声がさえぎったのだ。
教会がことさら山の国マウンティアを憎み、そしてシーアスの国を動かし滅ぼさせたのは、この野性の存在が教会にとっての脅威になることを予測していたからかもしれない。
「スターシア!」
カルビの声に、スターシアは自分をとりもどした。
「おのれ! 教会のウソに縛られたりはしない!」
スターシアは、フルブ司祭に向かって剣を突き立てた。
グサッと剣がフルブの胸板を突き刺した。
「うぐぐ……」
信じられないという表情で、フルブはスターシアの顔を見つめた。
「教会を倒します!」
「姫よ……」
フルブはスターシアを悲しそうな目で見て、
「おのれ、小僧……」
と、カルビを指差した。
その指の先が一瞬光る。
バチッ!
という感じだった。
「あっ!」
瞬間的にカルビが体をひねる。
だが、間に合わない。
光が、カルビをとらえた。
それは、フルブが死際に放った、最後の呪いだった。
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「うぐっ!」
カルビは体の自由を奪われた。
「うぐぐぐ……」
カルビから声が奪われた。
「カルビーーーーーーー!」
スターシアは剣を放り出して叫んだ。
フルブ司祭が祭壇の前に倒れて息絶えた。
「カルビーーーーーーー!」
スターシアがカルビに抱きついた。
「うぐぐぐ……」
カルビが悲しそうな顔をした。
「ごめんね! カルビ……わたしのために……こんなことに……」
「うぐぐぐ……」
カルビの目はやさしい色をしていた。
その目を見つめてスターシアは叫んだ。
「神よ! 神がいるのなら、いま、ここに奇跡を見せて! カルビを返して!」
スターシアは教会の祭壇に背を向けながら叫んだ。
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