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カルビとスターシアは〈闇の扉〉をくぐり、ついに魔法教会のど真ん中に出た。
教会のなかは薄暗く、アーチ型の高い天井の一部にだけ、ステンドグラスから差し込む月の光が反射している。
そこには、幾体ものからみあった男と女の絵が描かれていた。
空気がねばついている。
それは、死の匂いのように思えた。
スターシアは、ドキドキした。
心臓が爆発しそうだった。
「カルビ……」
小さくスターシアがつぶやいた。
そのとき、突然、バリバリと祭壇に稲妻が走った。
カルビは、はっと光の方向を見た。
スターシアはカルビの手をはなし、腰の剣に手をかけた。
ゴーーーーーーーーーーッ!
と、祭壇から風がうなった。
「スターシア! 下がれ!」
カルビがスターシアを押す。
すばやくカルビが宙に躍る。
「がるるるるるるる!」
怪物だった。
緑の怪物。体中がドロドロにくずれた怪物が、祭壇の下から飛び出してきた。悪意があった。悪意のかたまりだった。
瞬時にカルビは、怪物の目を狙って蹴りを喰らわせた。
「ギャアアアアアア!」
怪物がのけぞる。
「やーーっ!」
そこをスターシアの剣が怪物の胴をまっぷたつに斬った。
ドーーーーーーーーーン!
と、声もなく怪物は倒れた。
「くそっ! これが教会の本性か! ここは化け物製造工場かよ!」
「カルビ! まだ、殺気があるわ!」
スターシアが剣を構えて、あたりをうかがう。
バチバチバチッ!
いきなり火花が散った。
今度は、銀色の怪物が石の床に爪を立てながら現れた。
バチバチバチッ!
爪が床をけずるたびに火花が飛ぶ。
「だっ!」
スターシアの剣はあざやかだった。
キーーーーーーーーン!
怪物の手がのびて剣を止める。
「な、なにっ!」
スターシアの剣がやすやすとはじかれた。
こんなことははじめてだった。
次の瞬間、銀の怪物の腕がさらにのびてスターシアをとらえた。
「ぐるるるるるる」
「うぐっ!」
スターシアの顔がゆがむ。
「スターシア!」
カルビが夢中で銀の怪物の背中へダイブした。
「離せーーーーーーーーっ!」
「がるるるるるる!!」
怪物が体を激しく振った。
「うああああああ!」
スターシアは体をしめつけられ声を上げた。
「くそっ! くそっ! くそったれ!」
カルビは拳で怪物をなぐりつづけた。
だが、素手では、この怪物にはどうにも歯がたたなかった。
「くそーーーーーーーーーっ!」
カルビが天を仰いで吠えた。
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