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「行け、行け、行け!」
カルビの体のなかにカッと燃え上がるものがあった。
スターシアとウキウキのふたりが馬に乗っている。
カルビは、その横を並んで走っていた。
(魔法教会を一発なぐりつけてから逃げればいいさ)
魔法教会の力なんてたいしたことないと思わせれば、味方も出てくるかもしれないと思った。それには、いきなりなぐる。カルビなりの計算だった。
「スターシア! いきなり魔法教会をなぐる! いいな!」
「わかった!」
スターシアが答えた。
「カルビは乱暴でいいね!」
ウキウキが言った。
「はははは。ありがとうよ! だがな、ちっとは考えているんだぜ!」
カルビは、ナラヤーナの樹の下に馬を止めさせた。
「さあ、ここに馬をつないで、あとは歩きだ」
「ちょっと待って……」
スターシアがあたりを見回した。
一緒に立ち上がった王宮騎士のカルナックと、この樹の下で待ち合わせの約束をしていたことを思い出した。
「……やっぱり、カルナックは……」
スターシアは悲しい気持ちになった。
「スターシア……」
と、ウキウキがスターシアのそばにすりよった。
「なあに?」
「えへへ……あのさ、あんたの願いを叶えてあげようか?」
「えっ?」
「魔女と契約をすれば、叶えてあげられるんだけど」
「契約?」
「しっ! カルビにはないしょだよ!」
「カルナックを助けて」
と、ついスターシアは言ってしまった。
「いいよ!」
ウキウキがにっこりした。
「助けられるの!?」
「うん。でも契約だよ」
「どんなことでもするわ」
「じゃあ、願って。思うことを願って、契約しますと言って」
「…………契約します」
スターシアが目をつぶって、つぶやく。
「世界の悪魔と魔女の前に、契約をもって人間の願いを叶える。グラヴィエス・デラ・ブロングロウ……」
ウキウキが天に向かって両手をかざし、呪文を唱えた。
いきなり、天空に黒雲がわき上がった。
パリッ!
と、雷鳴がとどろく。
「な、なんだ!?」
カルビが驚いて、ふりかえる。
ウキウキがスターシアに右手をかざしていた。
「あっ! ウキウキ!」
と、カルビがかけよった。
パリッ! パリパリッ!
雷がスターシアに向かって落ちた。
ドーーーーーーーーン!
ものすごい音がした。
爆発だった。
モクモクと黒煙が上がった。
「スターシア!」
カルビは叫んだ。
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