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丘の上にあるナラヤーナの樹は巨大だった。
「でっかい樹だな」
樹の枝に腰掛けたカルビが言った。
「ああ、このくらいの樹だと、樹齢1000年くらいかな」
虎のナムルが答えた。
「しかし、ひどい目にあった。変身しやがったものな。あの王宮騎士団! 不死身だぜ、ありゃ!」
「不死身の王宮騎士団か……」
「ナムル……なに、考え込んでるのさ?」
「うむ、チョコレート・パフェを食いそこねた……」
「なんだよ!」
「冗談は置いといて……不死身の王宮騎士ってのは、絶対におかしい」
ナムルが腕組みをした。
「なにが?」
「王宮騎士ってのは剣に生きてる連中だ。プライドも高い。自分から、魔法をかけられるなんてことはしない」
「呪われちゃったんだろ?」
「そんな間抜けじゃなかろう……仮にも王宮騎士だぞ?」
「どうゆうこと?」
「やつら、喜んでなかったか? そーいう風に見えなかったか?」
「ああ……」
カルビは、道具屋で王宮騎士に襲われたときのことを思い返した。
「なあ……」
「だから?」
と、ナムルの顔をのぞき込んだ。
「魔法教会ってのはクセ者だぞ」
「魔法教会ね」
「ああ。たぶん、あの王宮騎士団は、死体だったのさ。はじめからな」
「えっ!?」
「死体にして、再生する。そして、魔法教会の思いどーりに動かす」
「あれが、死体?」
「たぶん。魂がない状態さ。だから不死身だ」
「はじめから死んでりゃ、不死身だけど……そんな魔法があるのか?」
「いいや。死体を再生するのは難しい……体が元のままではいられない」
「あいつら、なんだか呪文を唱えてた。そんで怪物に変身したぜ」
「かなりやべえな。シーアスの国は……」
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「きっとさ、シーアスの国民を全部死体にして、魔法教会の思いどーりに動かしたりしてね」
カルビがあっけらかんと言った。
「おまえさ、けっこうするどいかもしれんよ」
「なにが?」
「魔法教会の真の狙いだったりしてな……」
「まさか……冗談を言ったのに、なにマジな顔してんだよ、ナムル!」
「いいや。冗談じゃねえかもな……」
「じゃあ、それでいいよ。だけど、俺たちには関係ないじゃん!」
「そーか? じゃあ、なぜ、俺たちを待ち伏せしてたんだ?」
「さあ? スターシア姫をさらったからかな? 怒ってんのかな、俺のこと」
「違う! なんかあるんだ……魔法教会が、俺たちを狙う理由が……」
「考えすぎだよ!」
「なに、ゴチャゴチャ言ってるの?」
と、いままで眠っていた魔女のウキウキが起きあがった。
「ナムルがさ、俺たちを魔法教会が狙ってるって……」
カルビが説明した。
「ふ〜ん。死体を再生するのは高度な合成魔法が使えないとできないけどね」
「合成魔法?」
カルビが聞き返した。
「そうだよ。昔の魔女が作ったらしいけど、いまは使えるヤツはいないよ。第一、それを使うには〈マナ〉がいるもの」
「なんだ? マナって?」
「なるほど! 山の神の秘宝〈マナ〉を狙ってるのか……」
と、ナムルが割り込んだ。
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