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ICON 新二都物語カルビサーガ 第44話

 王宮騎士団たちが、剣を抜く。
 騎士のひとりがカルナックに向かって剣をふり上げた。
 そのとき、
「やめて!」
 とかけつけたスターシア姫が叫んだ。
 キーーーーーーン!
 かろうじて、カルナックが剣をよけた。
 髪が汗で乱れた。
 キーーーーーーン!
 キーーーーーーン!
 王宮騎士たちは息もつかせず襲いかかる。
 だが、さすがカルナック。よく防いでいた。
「やめて!」
 馬を下りたスターシアが両手を広げ割って入る。
 騎士団は、剣を引いた。殺気は消えていない。カルナックをにらみつけている。

「裏切り者には死あるのみ」
 と、だれかがつぶやいた。
「何を裏切ったというの!」
 スターシアが言った。
「王と教会です!」
「王と教会は民を裏切っています!」
「姫さま! 口が過ぎます!」
 と、騎士団のだれかが叫んだ。
「あなたたちは、たとえ白いものを黒と言っても、それが王の言い分なら従うのですね」
「あたりまえです!」
「たとえ、そのことが国を滅ぼすことであっても」
「王の御心のままに!」
「それが騎士道だと言うことね!」
 スターシアの語気が強かった。
「いかにも!」
「わかったわ! 行きましょう、カルナック!」
「そうは、いきませんぞ! 姫さま! その男は、騎士団を裏切っておりますので、ここで我々が死をあたえます!」
「そう。ならば、わたしも相手になりましょう!」
「スターシア姫さま! なりません! ここは、このカルナック一人でなんとかします。姫さまは先に!」
 と、カルナックは姫の剣を抜かせないように押さえつけた。
「カルナック!」
「さあ! 行って下さい! これは、騎士同士の問題なのです!」
「カルナック!」
「そうだ、ギラの丘にあるナラヤーナの樹の下で待っていて下さい! 必ず行きますから、わたしの腕を信用してください」
「……わかったわ!」
 スターシアはカルナックの手を握った。
 その手を、ゆっくりとカルナックはほどいた。
「さあ、行って下さい!」
「うん」
 スターシアは馬に飛び乗ると、ダッ! と走り去った。
「さあて、お相手しよう!」
 カルナックは言った瞬間、ザッ! と動いて、ふたり斬った。
「おのれ!」
 と、動揺して乱暴に突っ込んでくる騎士の剣を下からすくい上げ、斬った。
 4人、5人、6人と斬ったところで、ダッと逃げた。
「まてっ!」
 と追ってくる騎士を、急に反転して、斬る。
 30人で取り囲んだのに、いつのまにか、10人も残っていなかった。
 カルナックの剣は変幻自在。


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