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ICON 新二都物語カルビサーガ 第35話

「こいつら、倒れても倒れても、立ち上がるぞ!」
 カルビが、いいかげんうんざりした声で言った。
「死霊の呪いをかけられているんだ!」
 ナムルが王宮騎士をぶっとばしながら答えた。
「がるるるるるる!」
 そのとき、魔物に変身した魔女のウキウキが、苦しみだした。
「ウキウキの様子が変だ!」
「あれ!? 体が小さくなっていく……」
 カルビが呆然と見つめている。
 みるみるウキウキは、元のかわいい魔女にもどってしまった。
「おい! だいじょうぶか?」
 カルビがかけよって、ウキウキを抱きかかえる。
「だめ……」
「どうしてもどっちゃったんだ?」
「だって……変身の呪文が切れたから……」
「呪文が切れた?」
「そう。あたし、まだ新米だから……」
 ウキウキはぐったりしていた。変身の呪文は、たぶん、かなり体力をつかうのだろう。
「…………」
「おい、こいつ、寝ちゃったよ……」
 カルビはあきれた。まだ戦闘中なのだ。危機はいぜんとしてつづいていた。
 死霊と化した王宮騎士団が三人。どうやって、やっつけていいか見当がつかなかった。
「どうする、ナムル?」
 ブッ倒した騎士が、またムクムクと起きあがってきた。
「きりがねえな……燃やしちまうか」
「ちょっと待ってよ、そりゃ、乱暴だぜ。相手は、呪いがかかっているかもしれないけど、人間なんだぜ」
 と、カルビが焼き殺し作戦に反対した。
「死んだ人間を呪いで生きかえらせたのかもしれんぞ。それなら、元々が死体だから、火葬にしてやれば、魂も浮かばれるさ」
「生きてる人間を呪いで操ってる可能性だってあるわけだろ!」
「まあな……」

「じゃあ、ダメだ!」
「なら、どーすんだ!?」
「ぶっ飛ばして、逃げよう!」
「ちょっと待った! おまえな、いままで俺たちは逃げたことねえんだぞ!」
「そんなことねえだろ。何回も逃げてるじゃねえか、第一な、逃げることも、時には作戦なんだ!」
「逃げる作戦……」
「そう! 逃げるけど……あとで、ちゃんと落とし前つければいいんだ!」
「よーし、それなら乗った!」
「いくぞ! ナムル!」
「おーーーーーー!」
 二人は、一気に攻撃に出た。
 カルビが一人、ナムルが二人の騎士をブッ倒した。
「いまだ!」
 カルビが、ダッと跳んで倒れているウキウキを横抱きにすると走った。
「おう!」
 と、反応したナムルが黒い翼を広げ、カルビを捕まえるとグゥーーーーーーンと上昇する。


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