|
「こいつら、倒れても倒れても、立ち上がるぞ!」
カルビが、いいかげんうんざりした声で言った。
「死霊の呪いをかけられているんだ!」
ナムルが王宮騎士をぶっとばしながら答えた。
「がるるるるるる!」
そのとき、魔物に変身した魔女のウキウキが、苦しみだした。
「ウキウキの様子が変だ!」
「あれ!? 体が小さくなっていく……」
カルビが呆然と見つめている。
みるみるウキウキは、元のかわいい魔女にもどってしまった。
「おい! だいじょうぶか?」
カルビがかけよって、ウキウキを抱きかかえる。
「だめ……」
「どうしてもどっちゃったんだ?」
「だって……変身の呪文が切れたから……」
「呪文が切れた?」
「そう。あたし、まだ新米だから……」
ウキウキはぐったりしていた。変身の呪文は、たぶん、かなり体力をつかうのだろう。
「…………」
「おい、こいつ、寝ちゃったよ……」
カルビはあきれた。まだ戦闘中なのだ。危機はいぜんとしてつづいていた。
死霊と化した王宮騎士団が三人。どうやって、やっつけていいか見当がつかなかった。
「どうする、ナムル?」
ブッ倒した騎士が、またムクムクと起きあがってきた。
「きりがねえな……燃やしちまうか」
「ちょっと待ってよ、そりゃ、乱暴だぜ。相手は、呪いがかかっているかもしれないけど、人間なんだぜ」
と、カルビが焼き殺し作戦に反対した。
「死んだ人間を呪いで生きかえらせたのかもしれんぞ。それなら、元々が死体だから、火葬にしてやれば、魂も浮かばれるさ」
「生きてる人間を呪いで操ってる可能性だってあるわけだろ!」
「まあな……」
 |
「じゃあ、ダメだ!」
「なら、どーすんだ!?」
「ぶっ飛ばして、逃げよう!」
「ちょっと待った! おまえな、いままで俺たちは逃げたことねえんだぞ!」
「そんなことねえだろ。何回も逃げてるじゃねえか、第一な、逃げることも、時には作戦なんだ!」
「逃げる作戦……」
「そう! 逃げるけど……あとで、ちゃんと落とし前つければいいんだ!」
「よーし、それなら乗った!」
「いくぞ! ナムル!」
「おーーーーーー!」
二人は、一気に攻撃に出た。
カルビが一人、ナムルが二人の騎士をブッ倒した。
「いまだ!」
カルビが、ダッと跳んで倒れているウキウキを横抱きにすると走った。
「おう!」
と、反応したナムルが黒い翼を広げ、カルビを捕まえるとグゥーーーーーーンと上昇する。
|