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「そんな話はしらねえな! あの宝石は俺のものだったんだ!」
道具屋の主人が、どなった。
ちょっとの間に、ずいぶん態度が変わったのがカルビには気に入らなかった。
「なんで、そんな態度がでかいんだ……」
カルビがつぶやく。
魔女が目の前にいる現実に驚かないという理由があるはずだと思った。
「へへん! かかりやがったな! 化け物ども!」
いきなり道具屋が後ろに引いた。
「なんだと!?」
ナムルが牙をむきだした。
「王宮騎士の方々!」
道具屋が叫びながら、台所の奥に走り込む。
入れ替わるように、武装した王宮騎士が三人あらわれた。
「なるほど……そーいうことか」
と、カルビは納得した。
商人らしいかけ引きだった。ナムルに宝石のことをたのみ、同時に王宮に密告していた。
「ほう。おまえの言うことは本当だったな。こいつらが姫さま誘拐の犯人だ!」
騎士の一人が剣をジャランと抜きながら言った。
「首だけでもいいか?」
「いいんじゃないか」
「カルナックのやつに姫さま救出の手柄を持ってかれたからな。これで、おれたちもいいとこが見せられるな」
三人の騎士が言い合った。
「てめえたち! 勝手なことを言ってるなよ!」
ナムルが吠えた。
ジャラン、ジャランと残りの二人も剣を引き抜く。重い剣を使っていた。それは、彼らが剣の修行をかなり積んでいることを物語っていた。
三人とも顔面をすっぽりと覆う兜をかぶっているので表情は読みとれなかったが、あきらかに落ちついていた。こういうことに慣れた感じがした。
「やるな、こいつら……」
と、カルビがつぶやく。
瞬間、ビュンという風を切る音がして一人の騎士の剣がカルビに襲いかかる。
「おっと!」
軽やかに後退して、カルビが剣をかわす。
「なにっ!?」
剣を振った騎士がおどろきの声をあげた。
たぶん、一撃でカルビの首をとばせると思ったのだ。
その自信があった一撃だった。
「ははは。どうしたんだ」
と、いま一人が前に出た。
「やめてよ」
それまで黙っていた魔女のウキウキが口を開いた。
「なんだと……小娘は引っ込んでいろ!」
「うるさい! ダサイ人間め!」
ウキウキの表情が変わる。
「うっ!」
ナムルが何かを感じ、一歩後ろに下がった。
「がおおおおおおおおおお!」
ついに、キレたウキウキが魔物に変身する。
「逃げろ! カルビ!」
と、ナムルが叫んだとき、カルビは矢のような早さで道具屋から飛び出した。
「ぐおおおおおおおおおおお!」
変身したウキウキは、道具屋の屋根をつきぬけて巨大化した。
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