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そうして、しばらくナムルは天空を飛んだ。
「あれだ! どーーも、いやな空気だね、まったく!」
「降りろよ!」
カルビがナムルの耳を引っぱる。
「いてててて! わ、わかったよ。降りるよ。そこ、急所なんだから、あんまり引っぱるなよ!」
「早く!」
と、カルビがナムルの耳をつねる。
「イテテテテ! こんちくしょーーっ!」
ナムルがいきなり急降下した。
「バ、バカ!」
カルビが叫んだときには、すでに遅い。
ドーーーーーーーーーーーーーーーン! と、ナムルは森の中に突っ込み、そのまま地面に顔面から激突した。
「てててててて……」
カルビは放り出され、大きな木にブチ当たって、したたかに頭を打った。
「バカ虎! ったく!」
「いてえええええええ! なんてことしやがんだ!」
ナムルが起きあがった。
「なんてことしやがんだじゃねえだろう!」
カルビが怒った。
「おめえに言ってんじゃねえや!」
「じゃ、誰に言ってるんだ!」
「わかんねえけどよ、俺はちゃんと降りようと思ったんだ」
「ん?」
「なのに、コントロールがきかなくなったんだ! 急に……誰かが……」
と言いかけて、ナムルはハッとした。
「魔女のしわざか?」
「たぶん」
ナムルが薄暗い森の中をぐるりと見回し、ゴクリっとツバを飲み込んだ。
その音が、意外にも大きくて、ナムルは「うわっ」と自分で驚き声を出した。
(ナムルをこんなにビクビクさせるなんて、魔女って、そんなにおっかないんだろうか……)
口に出すとナムルのプライドを傷つけそうだから、カルビは心のなかでつぶやいた。
そのときだ!
森の木々がワサワサとゆれた。
森全体が動いているようにも思えた。
「出た……」
「出てない!」
カルビが、キッと唇を噛んで身構える。
生暖かい風が、ビュウと吹いた。
「ほらほら……」
「しっかりしろ! ナムル!」
突然、二人の前にピンクの煙がドドンパッ! と巻き上がる。「うわあああああああああああああ!」
ナムルが腰を抜かす。
「よ〜〜こそ! あやかしの森へ!」
と、キンキン声で煙の中から登場したのは、年齢一一歳くらいの超かわいい女の子だった。
「あたし、魔女のウキウキです。よろしく」
と、女の子は、ふたりに礼儀正しく頭を下げた。
(これが……ナムルがビビッていた、魔女なのか……)
カルビは、意外な展開に目を丸くして、とりあえず、
「こんにちは」
と、頭を下げた。
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