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ICON 新二都物語カルビサーガ 第27話

「なんで、俺も行くわけ!」
〈あやかしの森〉へ歩きながら、カルビが口をとがらす。
「いいじゃねえかよ。相棒だろう!」
 ナムルがカルビの腕を引っ張って、ズンズンと歩く。
「やめろ! 腕がとれちゃうだろ! このバカ虎!」
「おうおうおう! なんだと、だれがバカ虎だってんだ〜。おめえな、よーく聞けよ! どこの世界に、こんなりっぱな翼を持って、お空をパタパタ飛んでいる虎がいますかってんだ! いたら、お目にかかりたいもんだ!」
「なに、頭に血のぼってんだよ!」
「だって、そーじゃねえか! えっ! おめえは、シーアスであぶねえとこだったんだ。この俺がビュンと飛んで助けに行ったんだぞ! それに、あのヘナチョコ騎士にやられそーになった時だって、そーじゃねえか! えっ、それがなんだと? 俺が、魔女のところに行くってときに、なんで俺も行くわけ? って言いぐさはないよ!俺は、怒ちゃうよ!」
 なんだか、ナムルの口調がぞんざいになっていた。
「じゃあ、行かなきゃいいじゃんか」
「そ〜は、いかないでしょ! 俺にも山の神としてのプライドってもんがあるでしょ!」
「は〜ん。魔女が怖いんだろ?」
「だろう? って人の気持ちを探るのはいい趣味じゃないでしょ!」
「怖いんだ!」
「決めつけないで欲しいな!」
「ほんとのこと言えよ」
「……怖いよ」
「やっぱり怖いんだ。魔女が」
「怖いさ! 魔女だよ! 魔女!」
 と、ナムルが身震いした。
「まったく、そんな大きな図体して、なんで魔女なんかにブルっちゃうかな?」
「アホ! 鍋で、グツグツと煮るんだぞ! カエルとかトカゲとか! そんで、食うんだ! ああ、考えただけで、ゾッとするぜ!」
「ナムルがさ、本気になれば、魔女なんか、チョイチョイじゃないの?」
「カルビよ。おまえは、ほんとに、ものを知らねえな」
「なにが?」
 カルビがムッとした。
「いいか。魔女はな、特別な食い物を食っているんだ。だから、俺の能力を封じ込めることができるわけさ。魔法教会より怖い相手なんだよ。わかるかな」
「ふ〜ん。だから、魔法教会につぶされないで生きてきたんだ」
「そうさ。魔法教会のやつらだって、何回も魔女狩りをやったんだ。だけど、手に負えないのさ」
「おっしゃ! じゃあ、行こう! 魔法教会に負けなかった、その魔女たちを見てみたいや」
 カルビが言葉に力をこめて言った。
「やめろ。悪いことは言わない。そんな簡単な気持ちで魔女に会うな……」
「おい! ナムル! おまえが行こうって言ったんだぞ!」
「そーだっけ?」
「怒るよ! ほんとに!」
「そう! そうね。魔女に盗まれた宝石を取り返して、あそこの主人にまたチョコレート・パフェをたくさん食べさせてもらうんだった! よっしゃ! 行くぞ、カルビ! 背中に乗れ!」
「しょうがねえな、まったく」
 と、カルビはナムルの背中に乗った。
 バサッ! バサッ! と、ナムルがはばたいた。
 大きな体が、軽々と浮かびあがる。
「さあ、魔女とケンカだな!」
 うれしそうにカルビが言った。
「ちがーう! 話し合いだ」
 と、ナムルが叫んだ。


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