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「だいじょうぶか?」
カルビがのぞきこんだ。
「…………」
とスターシアがにらみつけた。
しめった草の匂いがした。
夜空にいっぱいの星がまたたいていた。
「どこ?」
「ここは、俺たちの隠れ家だ」
「なんで、わたしをさらったの?」
「おまえが、シーアスの姫だから……」
「ずいぶんと、単純な理由なのね」
「そーかな?」
「そうだわ」
「だって、シーアスは俺の国マウンティアをメチャメチャにしたんだ」
と、カルビが口をとがらせた。
「わたしの国の兵隊も、いっぱい死んだわ」
「そっちが悪いんじゃないか!」
「それは、わからないけど。死んだ兵隊には、家族がいるの。その家族は、きっとマウンティアのことを、あなたがシーアスを憎いと思うように、憎んでいると思う」
「そ、そりゃ……」
カルビはスターシアを見つめた。
「戦争に、いいとか、悪いとかってあるのかしらね」
「あるさ! シーアスは悪い!」
「そーね。戦争をはじめようと決めた人たちは、悪いかもね」
「それ。シーアスの連中だぜ!」
「うん。シーアスの……」
と、言ったスターシアの目に涙が浮かんだ。
「あっ……ご、ごめん」
カルビは、はじめて女の涙を間近に見て、とまどってしまった。
「いいの。あたしもいまのシーアスは好きじゃない……でもね、シーアスはわたしの国……」
スターシアのほおに涙がひとつ、ツツツと流れた。
「俺、なんだか間違ってたみてえだ……」
カルビが言った。
「えっ?」
スターシアがカルビを見た。
「たしかに、シーアスって国は憎たらしいけど……あんたを憎んじゃいけねえんだ。俺とあんたとの間には、なんにもないものな」
「ありがとう」
と、スターシアがカルビの手を握った。
「あ……俺、カルビってんだ」
「あたしは、スターシア」
「仲良くしようぜ」
「うん」
そのとき、爆音がした。
「なにっ!?」
カルビが上空を見上げた。
「うるせえっ!」
と、いままでぐっすりと寝ていたナムルが飛び起きた。
「空挺隊だ! シーアスの……」
カルビが上空をにらむ。
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