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ICON ミラージュ オブ サーガ 第90回 〜続・薔薇の王冠〜その1
タイトルコール「連続ラジオドラマ、ミラージュオブサーガ。〜続・蕎薇の王冠 その1〜」
語り「すべては砂に覆いつくされていた。愛や夢や希望。どんなに輝くそれらもすべて砂に沈む。ここはハピアス。はるか彼方の過去。〜砂の黙示録第4節より〜」
 
 BGM:怪しい音楽
 
ヒンクス「ビルデリア様! ビルデリア様!」
ビルデリア「何事かね、ヒンクス」
ヒンクス「魔界の大検事総長であるビルデリア様に、謹(つつし) んで申し上げます」
ビルデリア「申せ」
ヒンクス「は。魔界第4級悪魔デルスが、人間に恋をしてしまいました。どうぞデルスを告発し刑罰を」
ビルデリア「証拠は、あるか?」
ヒンクス「言葉のカステビルスが残っております」
ビルデリア「カステビルスは希薄な残り香……それだけでは確証にならん。では、地上に魔界検事を上げ内偵せよ。まず証拠だ」
ヒンクス「それなら魔界の辣腕(らつわん)検事、冷血なるゴルテスを」
ビルデリア「ん、よろしい」
ヒンクス「早速!」
 
 BGM:怪しい音楽。消える。
 SE:風の音
 
ジーン「今夜は星空がきれいだ……。輝く星々は、永遠の命を持っているように思える。……ここでは毎日いろんな変化や、苦しみや悲しみがあるのに……星空はそんなことに関わりなく、すっきりと輝いている」
デルス「そんなことはない」
ジーン「え?」
デルス「星々は、この地上に大きな影響を与えているんだぜ。いいかい、木星と土星は……20年の周期で巡り会う。それを会合周期と言うんだ」
ジーン「会合周期?」
デルス「うん。木星は1年でひとつの星座、12年で、天宮図を時計と反対周りに1周する。木星がある星座上で、土星と会合したとしよう。それを牡羊座とすれば、再び天宮図上で会合するのは、20年後、星座は射手座になる。次の20年目は獅子座、そして次の20年目に、牡羊座にもどる。こうして書いてみると……」
ジーン「あ! 正三角形になってる」
デルス「そう。この正三角形は同じグループに属するんだ。そして12の星座は、(火・土・風・水)の4つのグループ。「宮(きゅう)」にわかれている。火の宮は牡羊座、獅子座、射手座。土の宮は牡牛座、乙女座、山羊座。風の宮は双子座、天秤座、水瓶座。水の宮は蟹座、蠍座、魚座だ。そして、木星と土星が巡り合う会合の時こそ、あらゆる変化が訪れる時なんだ。組織や、社会や、人の心に変化をもたらす時なんだ」
ジーン「そうか、いろんな流行や社会変化が、20年周期と言われるのはそうゆうことなのか……」
デルス「さらに、この会合周期は、微妙なずれを生じる。木星と土星は、ずれながら240年で、違う宮に移行してゆく。これをミューテーションと言う。さらに、このミューテーションが4回繰り返され、宮を1周することをグランド・ミューテーションと呼ぶ。このとき大きな歴史的大変革が起きる」
ジーン「240年を4回だから……、960年?」
デルス「そう。千年王国と人々が言うのは、この計算があってのことだ。グランドミューテーションをくぐり抜ければ、それはまさに永遠という意味になる。……だがどんな文明も、社会も、組織も、いまだにグランド・ミューテーションを無事にくぐり抜けたことはない」
ジーン「じゃあ、帝国も?」
デルス「ああ。たぶん。いや、絶対に。そしてこの砂漠世界もだ」
ジーン「そう考えるとなんだかむなしいね……。あたしたち人間って、この風に吹き飛ばされている砂粒のひとつみたいに感じる」
デルス「砂漠は、その一粒の砂が集まって全体を構成しているんだ。"1"を軽んじるなら、"全体"もまた希薄な存在になるだろう」
ジーン「ふっ、なんだか今日のデルスって、すごく頼もしい。やっぱり悪魔って感じー」
デルス「あはっ、いやあ、それほどでも」
ジーン「ますます好きになった!」
デルス「えっと、……ジーンって、感情がストレートだな」
ジーン「いけない?」
デルス「いや。いいと思う」
ジーン「でしょ?!」
 
 BGM:のん気な音楽
 
「ごはん・だよ」
ジーン「父ぃ、ありがとー」
「もう、材料が・残り少ない」
ジーン「大丈夫。もう少し行けば町があるんでしょ? それまで辛抱」
「辛抱、辛抱」
デルス「砂漠を渡る装備が残っていてよかったー」
ジーン「そうだね。さ、食べよう」
デルス「うん。……うんまぁ〜い! このスープ」
「砂ネズミの薫製スープ」
ジーン「ねぇ父?」
「なに」
ジーン「東に行けば、町あるんだよね? 間違いないよね?」
「大丈夫。記憶確か。あと2日、歩く。町ある」
デルス「記憶ったって……父の頭、壊れてんじゃないか?」
「大丈夫。記憶、骨に、染みこんでる」
デルス「骨にねえ……」
「骨、丈夫」
ジーン「信じるよ、父」
「信じること大事。信じるもの救われる」
デルス「救われてないから、苦労してるんじゃないの」
ジーン「文句言ってないで! あんた悪魔なんだから、さっきみたいなウンチク言ってる暇があるなら、魔法でなんとかしなさいよ」
デルス「い、今この状況で、有効な魔法を思いつかない」
ジーン「ダメな悪魔」
デルス「ダメ言うな!」
ジーン「バカ悪魔」
デルス「バカ言うな!」
ジーン「アホ」
デルス「誰がじゃっ!」
 
 BGM::『Everything's Gonna Be Allright』(sweetbox)

●配役/タイトルコール、ヒンクス、ジーン:横山智佐/デルス:山口勝平/
語り、ビルデリア、父:広井王子

●ドラマ終了後のトーク
 ドラマが終わると横山さんは「難しい話だった。あってるの? この星座の話」と言って、星座の設定が本当の事なのか広井さんに訊ねた。

 広井さんは「あってる」と答えて山口さんと説明しだすと、横山さんは「有名(な事なの)?」と不安げに質問。ふたりから即座に肯定された横山さんは、「知らなかった」とショックを受けた。

 横山さんは「天体の事と地理がホンットに、苦手だった」と告白。「天体はおもしろい」という山口さんによれば、「わかんなくても、何となくおもしろい」らしい。

 広井さんは、空を何となく見ていて、神秘を感じたり興味を持った人が天体を調べるのだと言って話を締めた。

●出演はがき
◆サージさん(茨城県)
「ビルデリア」 魔界の検事総長。悪魔たちの規則違反を取り締まる。
◆ミラクル佐野さん(埼玉県)
「魔界の検事ゴルテス」 冷血な性格。デルスを追いつめる。
◆雪森一都(かずと)さん(東京都)
「ホロスコープでは960年のグランドミューテーションにおいて歴史的な大変革が起こる。ハピアスも960年周期で大変化が起こっていたのではないか」

 横山さんと山口さんは、投稿内容が読まれるたびに「お、新キャラ」「カタカナがいっぱい。濁音もいっぱい」など合いの手を入れていたが、グランドミューテーションの説明になると「おーー」と感嘆の声を上げた。

2005年2月12日放送マル天ダイジェストはこちら




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