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ICON ミラージュ オブ サーガ 第83回 〜薔薇の王冠〜その4

タイトルコール「連続ラジオドラマ。ミラージュオブサーガ。〜薔薇の王冠〜その4」
語り「すべては砂に覆いつくされていた。愛や、夢や、希望。どんなに輝くそれらもすべて砂に沈む。ここはハピアス。はるか彼方の過去。〜砂の黙示録第4節より〜」
  
 SE:街の雑踏
  
ジーン 「あのさ……いつまでついてくるの、デルス?」
デルス 「ジーンの魂もらえるまで」
ジーン 「あげたくないの!」
デルス 「あのねぇ、悪魔との契約違反は、すっーーごい不幸になるんだよ」
ジーン 「えっ……そ、そうなの?」
デルス 「そうだよ〜。たとえば……」
  
 SE:看板にぶつかる音
  
ジーン 「だっ! あ、痛っ!」
デルス 「ねっ! ぶつかったでしょ〜。それだけじゃ済まないと思う」
  
 SE:水をかけられる音
  
ジーン 「うわっ、冷たい! なによ、いきなり水まかないでよー!」
男1   「ああ、ごめんよ〜」
デルス 「ねぇ〜、砂漠都市で水まくなんてまれなことでしょう? でもかかっちゃった!」
ジーン 「じゃあ……殺して!」
デルス 「ふっ、だから、殺すことは出来ないのね! ジーンが死んでくれないとダメなんだ。死なないと、ずっと、ただただ不幸な事が起こり続ける」
ジーン 「んあー、そんなのイヤよぉー。……そうだ! あたしが、あなたからその契約を取り戻せばいいんじゃない? 出来ないの?」
デルス 「……出来ないことはないよ」
ジーン 「そうなの〜!! あ、ねえねえ、どうすればいいの?」
デルス 「簡単じゃないよぉ〜?」
ジーン 「いいから教えて!」
デルス 「かわりの魂をふたつくれるかぁ〜……お金……」
ジーン 「えっ! あ、悪魔がお金を要求すんの?」
デルス 「うーん、魔界も資金不足だからね……」
ジーン 「う〜ん、かわりの魂って……誰かをあたしが殺すって事でしょ?」
デルス 「そう」
ジーン 「うわぁ〜、それはイヤぁー。あたし良い人間だから出来ないなぁ……お金、いくら!?」
デルス 「100万ゲロ!」
ジーン 「ええーー!! 100万ゲロ……それって帝国金貨1000枚分じゃない! そんなの無理だよ、いや、ぜんぜん話にならないわ」
デルス 「だから……簡単に悪魔との契約は破棄できないんだ!」
  
 SE:ヒューッ(何かが落ちてくる音)
  
デルス 「あ、あぶない!」
  
 SE:ドスン(ころがる音)
  
ジーン 「あ痛!」
デルス 「うっ、大丈夫?」
ジーン 「……う、うん」
デルス 「はっ、よかった……ほら工事現場から……大きな石が落ちてきたんだ」
ジーン 「……なんで?」
デルス 「さあ、きっと作業員の怠慢だろう〜?」
ジーン 「なんで……助けたの?」
デルス 「え?」
ジーン 「だって……石にぶつかれば、死んだかもしれないんだよ。あんたとの契約が守れたかもしれないのに……」
デルス 「ああ〜、そうか……そうだよね……」
ジーン 「ばっかじゃないの」
デルス 「あ、でもさ、なんか覚悟しないで、偶然に死んじゃったらかわいそうじゃない……」
ジーン 「悪魔からかわいそうなんて台詞聞くとは思わなかった」
デルス 「そう。これでも結構優しいんだよ」
ジーン 「ばーか」
  
 SE:王宮のファンファーレ
 BGM:舞踏会の音楽
  
執事1号 「王様! 王様!」
王様  「なんだ、執事1号」
執事1号 「はい……あのう……実は密偵よりの情報がありまして、なんでも東の谷奥で、ハスキル一族が動いているとか……」
王様  「ハスキルが、あの砂漠の闇商人がか? 何のために?」
執事1号 「はっ……なんでも東の谷に"薔薇の王冠"が存在するとか……それを探して……」
王様  「何! あの秘宝、"薔薇の王冠"が東の谷にあるというのか?」
執事1号 「あくまで、情報でございます」
王様  「よし! すぐに我が国も調査発掘隊を差し向けよ!」
執事1号 「は、はい!」
  
 SE:工事現場(ドリル)の音
  
男2   「なんだ? この立て看板は……えーと、なになに……東の谷での調査発掘隊と……優秀な成績を収めたものに1万ゲロ……ええ、うっ、げっ、1万ゲロー! おい、工事現場5年分の給料じゃねえか! ああ、行く行く行くよ〜! おいおい、俺も入れてくれよ〜」
  
 SE:時計が時を刻む音
  
ジーン 「おいしい? 父?」
父   「悲、しい……(抑揚のない声で、以下同じ)」
ジーン 「なんでっ?」
父   「ジーンの、料理の味……わからないから……こんな、体だから……」
ジーン 「母の味、覚えてるでしょ?」
父   「忘れた……悲しい……」
ジーン 「思い出すよ、きっと!」
父   「悲しいけど……涙も出ない……悲しい……」
ジーン 「さあ、食べて! おいしいんだから!」
父   「おいしい……おいしい……おいしい……」
  
 SE:ピョ〜ン、ポン(出現する音)
  
デルス 「じゃじゃーん!」
ジーン 「またきたぁ……」
デルス 「いい情報だぜ!」
ジーン 「なに〜?」
デルス 「王様が、東の谷の宝探しに行くって」
ジーン 「……それが?」
デルス 「その宝は、砂漠の秘宝だ! ハスキルにでも売れば100万ゲロ、いや、300万ゲロにはなる」
ジーン 「へぇ〜、すごいじゃな〜い! ああ、でもダメよ……東の谷にどうやって行くのぉ?」
デルス 「船で」
ジーン 「船を貸し切るお金なんかないもの……そうだ! あなた貸してよ!」
デルス 「えっ、あ、お金ないよ。俺……」
ジーン 「じゃ、ダメじゃな〜い! そんなむなしい希望だけ持ってこないでよ。ますます悲しい気持ちになっちゃうじゃな〜い! バカぁ」
父   「船、ある……砂漠、渡る風は気持ちいい……東の谷に向けて、出航だーーっ!」
ジーン 「むかしの盗賊だった頃を思い出してるんだわ……」
父   「さあ、家の地下の……本棚を押すんだ! 船の、用意は、出来て、いる……」
デルス 「おいっ……ほら、目見てみろ!」
ジーン 「うっ」
デルス 「おまえの父……」
ジーン 「ええっ……ああ〜、父! 父、父の目、輝いてる! 大盗賊バーネット・ローズクラウン!」
父   「我が名を高らかに叫べ! 我が名はバーネット・ローズクラウン! 船を出すぞー! ジーン!」
  
 BGM:音楽が大きくなる
  
ジーン 「は、はいっ!」
  

●配役/ジーン、タイトルコール:横山智佐/デルス、執事1号:山口勝平
男1、王様、男2、父、語り:広井王子


●ドラマ終了後のトーク
 横山さんは「これ、良い話だね〜」と感動した様子。「そんなに良いならアニメにしたら」と広井さんが提案すると、山口さんは即賛成。しかし、横山さんはジーンの父の描写を例にあげ「無理だよぉ〜」とあきらめ気味のコメント。そんな横山さんに、広井さんは「父を鳥山明さんにコミカルに描いてもらえば?」とアドバイスした。

●出演はがき
◆佐野池まさしさん(岩手県)
 「ゲロ」
 この国の通過単位。酒飲みの王様が「ゲロが出るまで飲める酒の量を1ゲロ」と決めた。現在の1ゲロは酒樽ひとつ。

 "ゲロ"を連発して話す広井さんと横山さんに、山口さんは「すごいこの会話、気が滅入ってくるんだけど」と苦笑気味に話した。

◆PinkRainbowの虜さん(千葉県)
 「悪魔との契約は破棄できる」
 ほかの人を殺すか、またはたくさんの契約違反金を支払えばいい。悪魔社会も人間世界といっしょで最近ではお金がものを言う。地位とかお金で買える。

 「なるほど」、「そうなんだ」と設定に感心する横山さんと山口さんであった。

 山口さんは「なんか話が動き始めましたね」とコメント。横山さんは、「なんか泣けるんだよな、この父に」、「父って悲しいよ」としんみりと語り、「不器用な感じ」と続けた。

山口「デルスとジーンはどうなるんだろう?」
広井「デルスとジーンも、こうかわいらしいじゃない。ふたりのデコボココンビは」
横山「そりゃ、かわいらしいさ」
広井「デルスもなんか不器用そうだよ、とっても」
横山「知ってる。惚れてんだな、ジーンに」

 広井さんは「みんなで不器用なんだ」と語り、山口さんは「そんな感じ」と広井さんに同意し「ちょっと次回が楽しみです」とコメントした。

 最後に、横山さんが投稿を呼びかけてコーナー終了。


2004年12月18日放送マル天ダイジェストはこちら


 

鳥山明
 漫画家。1955年愛知県名古屋市生まれ。1980年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始した『Dr.スランプ』は、1981年4月から約6年間と1997年から約2年間、2度もテレビアニメ化された。1984年から連載開始された『ドラゴンボール』は、連載中から空前絶後の人気を誇り、1986年にテレビアニメ化されると、続編の『ドラゴンボールZ』やオリジナル脚本をもとにその後の展開を独自に描いた『同 GT』を含め、10年以上にわたり大ヒットとなった。

 
 


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