| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ。ミラージュオブサーガ。〜砂の魔法使い〜その2」 |
| 語り | 「すべては砂に覆いつくされていた。愛や、夢や、希望。どんなに輝くそれらもすべて砂に沈む。ここはハピアス。はるか彼方の過去。〜砂の黙示録第4節より〜」 |
| | |
| | BGM:中近東を思わせるような音楽 |
| | |
| コンチス | 「そこのお嬢ちゃん! ね、あんた!」 |
| セレン | 「あたし?」 |
| コンチス | 「そう、あなた。うひょ〜! かわいいねぇ〜」 |
| セレン | 「ありがとう!」 |
| コンチス | 「いやぁ〜、そんなかわいいお嬢ちゃんにね、ほら! この砂漠羊のバックはどう?」 |
| セレン | 「ありがとう、うれしぃ〜!」 |
| コンチス | 「……て、おい! こら!」 |
| セレン | 「えっ?」 |
| コンチス | 「お金、お金払いなさい」 |
| セレン | 「えっ? くれるんじゃないの?」 |
| コンチス | 「なんでぇ〜!? なんで、見ず知らずのあんたにバック、あげなくちゃいけないの!?」 |
| セレン | 「かわいいから!」 |
| コンチス | 「あっちゃ〜。あのね、あたし、商売やってんです。いいですか? このバックもこのコートも全部売り物! タダでやっちまったら、おまんまの食いあげなんですよ! ったくも……、商売の邪魔! お金ないなら、あっち行って、あっち……」 |
| セレン | 「じゃあ、かわいいって言ったのウソなの!!」 |
| コンチス | 「そ、そんなおっかない顔しないで……。ウソじゃないよ。あんた、マジにかわいいです」 |
| セレン | 「かわいいなら、なんかちょうだい!」 |
| コンチス | 「うっ、うぅ……。じゃあ、この……小さな……ポーチ……」 |
| セレン | 「(すかさずに)うわぁ〜!! ありがとう!! あなた、お名前は?」 |
| コンチス | 「んぁ……? コンチス」 |
| セレン | 「コンチスさんに神のご加護がありますように。商売がうまくいって、それでここにあるものが全部売れますように。砂の神と風の神の……。セレンがお願いいたします。グラビーノケビンバスバレン……」 |
| コンチス | 「あ、あの……。あんた、魔法使いか何か?」 |
| セレン | 「そう。さっき家出してきた魔法使い」 |
| コンチス | 「本物の魔法使い?(恐る恐る)」 |
| セレン | 「本物よ」 |
| コンチス | 「うわぁ!? ちょっと、あ、あっちに行ってくれ! なっ! 魔法使いと友達なんて噂が立ったら、このあたりじゃ商売できなくなちまうからさ!」 |
| セレン | 「えぇ〜っ!?」 |
| コンチス | 「お願い、お願いだ! うわぁ……あ、あっち行ってくれ!(追い立てるように)」 |
| | |
| | SE:街の雑踏 |
| | |
| 男 | 「ほう、そこのお嬢ちゃん。なんだい悲しい顔をして、悩みがあるんじゃないかい? どれちょっと見てしんぜよう……」 |
| セレン | 「ああ、世の中って、どうしてこんなに悲しいことばかりなんでしょう……。神に祈ってみても、それは他人のことばかりだもの……。自分にはどんどん悲しい出来事が降りかかる……」 |
| 男 | 「ほほほほ。どれどれ、ではこっち、こっちいらっしゃい。見てしんぜよう!」 |
| セレン | 「ねぇ……。どこ触ってんの?」 |
| 男 | 「あっ? 乳じゃ……」 |
| セレン | 「なんで!!」 |
| 男 | 「あかっ……こ、これ……、痛いな……。これは乳、乳もみ占いと言ってな、古代グラの時代に、こうしてモミモミ……」 |
| セレン | 「こらっ!!」 |
| | |
| | SE:バンッ(殴る音) |
| | |
| 男 | 「ぁいて……」 |
| セレン | 「なにが乳もみ占いよ! そんな占いあるわけないでしょ! あたしは魔法使いなのよ! 正当に勉強した魔法使いなの! あんたらみたいな、いかさまとは違うの」 |
| 男 | 「な、な、なんと、本物の魔法使いじゃと!?」 |
| セレン | 「もうセレン、プンプン!! 天空の怒れる神々よ、ここにその矛先を示せ! この者の頭上にいかずちを落とせ! セレンがお願いする!」 |
| | |
| | SE:ゴロゴロゴロゴロ(雷鳴) |
| | SE:ぼんよよ〜〜ん(コミカルな何かが当たる音) |
| | |
| 男 | 「ひやぁ……!!」 |
| セレン | 「いい気味よ」 |
| コンチス | 「あ〜、いたいた! かわいいお嬢ちゃん! 探したよ」 |
| セレン | 「さっきのバック売り屋さん……。なに? こ、このポーチなら返さないわよ! もうあたしの物だもの!」 |
| コンチス | 「いやいやいや……。違うんだ。ほら、この大きなバックもあげるよ」 |
| セレン | 「なんで?」 |
| コンチス | 「お礼だ。さっき、あんたが魔法の呪文を言ってくれただろ? その後、なんだか知らねぇが、客がわんさか! で、全部売れたんだ」 |
| セレン | 「ほんと? うわぁ〜い! よかったねぇ〜!」 |
| コンチス | 「これ残り物だけど、あげるよ」 |
| セレン | 「ありが……残り物? ……あ、ありがとう!」 |
| コンチス | 「まあ、気にするな、な!」 |
| | |
| | BGM:ほのぼのとした音楽 |
| | |