| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第3章 〜明日への扉〜 その7」 |
| 語り | 「ごきげんよう、明けそめる世紀のあけぼのよ! ほかのものが呪おうとかまわない。 ぼくは恐れることなく、この歌をおまえに捧げよう。 アウグストゥスのローマ再建のとき、若者や生娘の唱歌隊のホラチウスが与えたという、あの歌に似た調べを。 サタンの狂熱のともしびが消え、すべての争いが終焉したあとの静寂と調和を歌にしよう。(ベンジャミン・コールの手帳より)」 |
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| | BGM:音楽 |
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| フェイ(独白) | 「悲しかった。……ぬいぐるみのクロックを破裂させちゃった。 なんだろう、この悲しさって。こころが破裂しそうだ! だってクロックは、大親友のアンクがくれたぬいぐるみだよ!? アンクのぬくもりがいっぱいつまってるんだもの」 |
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| | BGM:音楽フェードアウト |
| | SE:ノック |
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| フェイ | 「はい、どうぞ」 |
| オーロン | 「失礼するよ、フェイ」 |
| フェイ | 「どうしました? オーロンおじさま」 |
| オーロン | 「きみの悲しいこころが、この氷の宮殿に響いているんだよ。 ……大事なひとを想う気持ちは、悪魔も人間も同じだ。 そうそう、わたしなら、その冷え切ったこころを少しは暖かく出来るんだがねぇ」 |
| フェイ(独白) | 「おじさまは、青い目で、じっとあたしのことを見つめた。 その瞳の奥には優しさが輝いていた。このひとは、きっと兄である、わたしの父と王位を争うのがイヤで、こんな北の辺境に暮らているんだ。 おじさまのこころは、生まれ育った、魔界の都をのぞんでいる。いまでもきっと」 |
| フェイ | 「おじさま、都にもどりませんか?」 |
| オーロン | 「いや。もうここの暮らしが長い。ここに愛着もあるんだ。 それに、いまさら都にもどっていらぬ騒ぎを起こしたくはない」 |
| フェイ | 「おとうさまもきっとおじさまに会いたいと思っていらっしゃるわ。 あたしにはわかるの」 |
| オーロン | 「優し子だね。きみは……ありがとう。でも、いまこころが冷えているのは、きみだよ」 |
| フェイ | 「違うわ。こころが冷えているのは、おじさまです。 この氷の宮殿が悲しみの色に満ちているのは、おじさまのこころを映しているからですわ」 |
| オーロン | 「……フェイ」 |
| フェイ | 「はい、おじさま」 |
| オーロン | 「わたしは、自分に素直でなかった。 ほんとうは、兄上と戦い、魔王の座を奪おうとしたのだ……だが、そんな自分が哀れに思えた。それは、勇気がなかったからだ。 兄上に怯えたからだ……そう、あのとき、わたしのこころは少し弱かった。 しかし、いまは、それでよかったのだと思う。 フェイ? きみは勇気を出すべきだ。 いまなら、きみの大親友を救えるよ。 そのぬいぐるみの破片があるうちならば……」 |
| フェイ | 「ほんとですか、おじさま! アンクを救えるんですかっ! ねえ、クロック聞いてよ、あなたを使って、アンクが救えるのよ」 |
| クロック | 「キュウ」 |
| フェイ(独白) | 「クロックの破片が、変な声でうなずいた。大親友なんてウソです。 アンクは、あたしの恋人。大事な人です。 今、初めて、自分のこころに素直になれます。 ……あなたを救います、アンク」 |
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| | BGM:テーマ音楽 |
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