| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第3章 〜明日への扉〜 その3」 |
| 語り | 「ごきげんよう、明けそめる世紀のあけぼのよ! ほかのものが呪おうとかまわない。 ぼくは恐れることなく、この歌をおまえに捧げよう。 アウグストゥスのローマ再建のとき、若者や生娘の唱歌隊のホラチウスが与えたという、あの歌に似た調べを。 サタンの狂熱のともしびが消え、すべての争いが終焉したあとの静寂と調和を歌にしよう。(ベンジャミン・コールの手帳より)」 |
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| | BGM:テーマ音楽 |
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| フェイ(独白) | 「辛い旅がつづいた。王妃の陰謀に加担した魔界騎士団たちが、次々に襲いかかってきた。 父上がさずけてくれたデビルBOXはあたしを守り、強力な騎士団たちをしりぞけていった。 たくさん戦い、たくさん夢を見ました。 悪夢もあったけど、むかし父上と遊んだころの夢を見ました。 魔王である父上は、いつも怖い顔をしているけど、あたしにだけは笑ってくれた。 その笑顔は、いつもちょっと困ったようないびつだったことを思い出した。 たぶん、父上は不器用なのだ。愛情を娘にどう表現していいのかわからなかったのだろう」 |
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| | BGM:音楽フェードアウト |
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| クロック | 「フェイ!」 |
| フェイ | 「なに、クロック?」 |
| クロック | 「寒くなってきたよ」 |
| フェイ | 「ぬいぐるみなのに寒いのぉ?」 |
| クロック | 「うん。なんだか背中がとても寒い」 |
| フェイ | 「どれどれ。はっ! あーら大変! 背中の縫い目が破れて中身が出てるじゃない」 |
| クロック | 「えー! うえ〜ん。中身出ちゃったら、ぼく死んじゃうの?」 |
| フェイ(独白) | 「ぬいぐるみが死ぬなんてことがあるのだろうか。 そもそもぬいぐるみの中身は綿クズだ。 外に出てしまったら、またつめなおせばいいんじゃないの?」 |
| クロック | 「すごく寒いよ……フェイ」 |
| フェイ | 「背中、縫ってあげる!」 |
| フェイ(独白) | 「あたしは、バスのなかで針を探した。 針金があったので、そこに糸をくくりつけて、クロックの背中を縫った」 |
| フェイ | 「……どう?」 |
| クロック | 「うん。だいぶいい。寒くなくなった。 んだけど、なんだか、おなかに力が入らないな……」 |
| フェイ(独白) | 「そうか、気がつかないうちに綿が飛び散ってしまったのだ」 |
| フェイ | 「町についたら綿をたくさん詰めてあげる!」 |
| クロック | 「うん……あ、見て、ほら向こうに町が見える」 |
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| | BGM:管楽器による音楽 |
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| フェイ(独白) | 「その町は氷に覆われた町だった。そこが、ノース・グリッグ。北限のオオカミの砦(とりで)だ」 |
| クロック | 「ねえ、町は氷に閉ざされているよ。どうやって入るんだろう?」 |
| フェイ(独白) | 「町全体が厚い氷に閉ざされていた。どこにも入口らしき場所がない」 |
| クロック | 「ねえ、ここに"ノース・グリッグ"って書いてあるよ。ほら、ここ」 |
| フェイ(独白) | 「氷の中に、ノース・グリッグという文字と、叔父上の紋章が輝いていた」 |
| フェイ | 「あれ!?」 |
| クロック | 「なに、どうした?」 |
| フェイ | 「ほら、これ! この小さな穴。 これって、もしかしたら、このデビルBOXを入れるのかも……」 |
| クロック | 「やってごらんよ」 |
| フェイ | 「うんっ!」 |
| フェイ(独白) | 「あたしは首にかけたデビルBOXをはずして、その穴に差し入れた」 |
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| | SE:氷が割れる地響きの音 |
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| クロック | 「うわあああああ! 氷がさけてゆくっ!」 |
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| | BGM:テーマ音楽 |
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