| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第3章 〜銀色のセレナーデ〜 その3」 |
| 語り | 「ごきげんよう、明けそめる世紀のあけぼのよ! ほかのものが呪おうとかまわない。 ぼくは恐れることなく、この歌をおまえに捧げよう。 アウグストゥスのローマ再建のとき、若者や生娘の唱歌隊のホラチウスが与えたという、あの歌に似た調べを。 サタンの狂熱のともしびが消え、すべての争いが終焉したあとの静寂と調和を歌にしよう。(ベンジャミン・コールの手帳より)」 |
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| ランディ | 「泣くな……フェイ」 |
| フェイ | 「でも……アンクに何もしてあげられなかった。迷惑ばかりかけていた(涙声)」 |
| ランディ | 「人生って、そんなものだから」 |
| フェイ | 「どんなものなのよー!(泣)」 |
| ランディ | 「思い通りになったと思っても、すぐに手の中からこぼれ落ちる。それが人生だ。自分のもののようで、決して自分の自由にはなりゃしない」 |
| フェイ | 「ランディ! あなた、アンクを生き返らせる魔法知らない? 銀の鋼の刃(やいば)の効力を消し去る魔法?」 |
| ランディ | 「おれは、だらしない魔物だ……そんな高度な魔法を使えるなら、こんな堕落はしなかっただろう」 |
| フェイ | 「ひー、役立たず! あぁぁぁ、アンクーーー!」 |
| フェイ(独白) | 「あたしは一晩泣いた。ランディは、そっとあたしの肩に毛布を掛けると、アンクを抱いて消えた……あたしは、デビルBOXをにぎりしめて、ひとりで眠った」 |
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| | BGM:メインテーマフェードアウト |
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| クロック | 「こんばんわ?」 |
| フェイ(独白) | 「ドアの向こうで声がした。あたしは無意識にデビルBOXを強く握る」 |
| フェイ | 「はい。誰?」 |
| クロック | 「クロックです。えーと、アンクさんのご注文です」 |
| フェイ | 「アンクが?」 |
| フェイ(独白) | 「あたしは警戒しながらドアを少し開けた。ドアの前に、ちょっと大きめの黒い"熊"のぬいぐるみがあった」 |
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| | BGM:とぼけたような滑稽な音楽 |
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| クロック | 「こんばんわ」 |
| フェイ(独白) | 「ぬいぐるみがしゃべっていた。最新のおもちゃだろうか? アンクはなんで、こんなものを注文したのだろう?」 |
| クロック | 「中に入れて下さい」 |
| フェイ(独白) | 「ぬいぐるみはドアの隙間から、勝手に中に入ってきた」 |
| クロック | 「アンクさんですか?」 |
| フェイ | 「いいえ。あたしはフェイ。でも、その名前で呼ばないで」 |
| クロック | 「じゃ、なんて呼べばいいのですか?」 |
| フェイ | 「そうね、今日の気分は、リリカ」 |
| クロック | 「では、リリカさん。えーと、アンクさんは?」 |
| フェイ | 「アンクはいないわ」 |
| クロック | 「そうですか。では、フェイさん。もとい、リリカさんに、アンクさんからのクリスマスプレゼントです! はい」 |
| フェイ(独白) | 「クロックというぬいぐるみは、あたしの前で得意げに微笑んだ」 |
| フェイ | 「プレゼントって? どこに?」 |
| クロック | 「やだな。ぼくです。ぼくがアンクさんからのプレゼントです。ぬいぐるみのクロック」 |
| フェイ | 「やっぱり、あんたはぬいぐるみなんだ。"熊"の」 |
| クロック | 「"犬"です」 |
| フェイ | 「あー、犬か。でも、あたし、ぬいぐみキライ」 |
| クロック | 「キライですか。では注文者のサインを頂ければ、返品出来ます」 |
| フェイ | 「注文者って」 |
| クロック | 「アンクさんの」 |
| フェイ | 「アンクは、いないわ」 |
| クロック | 「じゃ、返品出来ません。残念ですが、ぼくはここに置いてもらいます。っていうか、あなたの所有物になったわけです。それから、ぼくは知能がありますから、捨てることは出来ません。もちろん壊すことも出来ません。どうぞ、よろしく」 |
| フェイ(独白) | 「アンクがいなくなって、まるでアンクのかわりのように、黒い犬のぬいぐるみが届けられた……メリークリスマス」 |
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| | BGM:メインテーマ |
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