| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第3章 〜悪魔はあくまでプリンセス〜 その5」 |
| 語り | 「ごきげんよう、明けそめる世紀のあけぼのよ! ほかのものが呪おうとかまわない。 ぼくは恐れることなく、この歌をおまえに捧げよう。 アウグストゥスのローマ再建のとき、若者や生娘の唱歌隊のホラチウスが与えたという、あの歌に似た調べを。 サタンの狂熱のともしびが消え、すべての争いが終焉したあとの静寂と調和を歌にしよう。(ベンジャミン・コールの手帳より)」 |
| |
| アンク(独白) | 「魔界の北の端、ジロームに奇巌城がある。 ここは、"呪われた土地"と言われ、魔界のものたちも、ここには立ち入ることは出来ない。 この土地に立ち入るのは、大魔王の刻印の入った特別通行証が必要だ。 ぼくはアンク。大魔王から密命を受けて、この奇巌城に幽閉されているフェイ姫様のお世話と監視をしている。 ぼくとフェイ姫様は幼なじみ。ぼくの母が、大魔王様の親戚筋にあたる。 それで子供のときから、フェイ姫様とはよく遊んだ。魔法学校も同期で入学した。100年くらい前のことだ。 そうそう、魔界では、人間界の1年が30年くらいだろうか。 単純に計算すると、人間界で80歳ってことは、魔界では2400歳になるってわけだ。 でも、50年幽閉されているフェイ姫様の体感時間は、50年だけどね……。 さて、ぼくは、フェイ姫様にキスをされた。ずっとフェイ姫様が好きだったから、すごく嬉しかった。 ファイ姫様が、ぼくを愛してくれているとわかったんだもの。 だって、そうでしょ? 女性からキスをするって、そーいうことだよね! だから、ぼくは愛する女性のために、魔界の掟を破り、フェイ姫様を、この奇巌城から脱出させることに決めた。 そのために、"空蝉(うつせみ)の魔法"を使う。 まだ1度も試したことはないけれど、きっと成功させてみせる。 新鮮な死体も手に入れたしね……」 |
| |
| | BGM:宮廷の華やかな音楽 |
| |
| クロック | 「アンク! これっ!! おー、これこれ……その死体は何事です?」 |
| アンク | 「クロック! いい?」 |
| クロック | 「うん?」 |
| アンク | 「ぼくはフェイ姫様を、ここから脱出させることにした」 |
| クロック | 「えっ!?」 |
| アンク | 「もし、邪魔をするのなら、君とここで戦わなくちゃならない! さ、この城の封印を解く鍵を渡せ!」 |
| クロック | 「ぅっ! あ、あぁ……ファイ姫様のために、そこまで御決意なさいましたか。 姫様のおそばに長く仕えておりますこのクロックからも、お願い申し上げます。 どぉーぞ、姫様を、ここから逃がして差し上げてください! これが、鍵でございます……」 |
| アンク | 「っ! クロック! ありがとう!」 |
| クロック | 「さ、姫様のところへ!」 |
| アンク | 「うんっ!」 |
| |
| | BGM:音楽フェードアウト |
| |
| フェイ | 「すごーい! ほんっとにアンクって勇敢ね! あたしをここから逃がせば、一生涯、魔界の裏切り者という烙印(らくいん)を押されるわぁ。 それを覚悟で、逃がしてくれるのねぇっ! う〜ん、素敵っ!」 |
| アンク | 「さ、姫様の髪の毛を下さい。この死体に結びつけます」 |
| フェイ | 「そっか。空蝉(うつせみ)の魔法ね! この死体が、あたしの身代わりになるのね」 |
| |
| | SE:髪の毛を抜く音 |
| |
| フェイ | 「はい! はい、髪の毛!」 |
| アンク | 「はい。……この髪を、死体の髪に結ぶと。 よっし! さ、ひきがえるの粉をまいて、うじむしを蘇らせ、そして、さ、フェイ姫よ、死体にツバを吐きかけて下さい!」 |
| フェイ | 「うんっ!(うんっぷっ)」 |
| アンク | 「世界は見事なる仕組みなれど……」 |
| |
| | BGM:神秘的でかろやかな音楽 |
| |
| アンク | 「そを作り出すものは、唯一の思念なり。 唯一の思念を、ここに破り、この死せる魂を、よみがえらせたまえ。 わが名はアンク。魔界の第8位に位置する者なり!」 |
| |
| | SE:爆発音 |
| |
| フェイ | 「うわぁー……す、すごい……! あたしがもうひとり生まれた!」 |
| |
| | BGM:音楽フェードアウト |
| | BGM:テーマ音楽 |