| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第2章 〜涅槃(ねはん)〜 その4」 |
| 語り | 「想いは疾走する。 時には思わぬ早さでそれは駆け抜ける。 そして、同時多発的にひとつの想いが伝播する。 そのことを時代という。 ぼくたちはいま、時代を駆け抜けている。 強い想いを持って、ぼくと同じ想いの人間と接続するために…… (レイ・グリーンの日記より)」 |
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| 霧子(独白) | 「あたし、霧子。フォッグの"霧"に、こどもの"子"。19歳、独身。本を開いたら、自分のアパートから、このクサナってとこに来てしまった……そして、シルエットってヤツが現れて、"あなたは常識のわくにとらわれている"、と言った。……当たりまえでしょ、あたし常識人だもの……」 |
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| | SE:汽笛の音 |
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| 霧子(独白) | 「あたしを乗せた豪華客船が絵の中に吸い込まれる。行く手には大海原。振り返ると、たれこめる雲を4角に切り取った窓の向こうに、今までいた世界が、絵のように浮かんでいる……。あたし、絵の中の人物になってしまった……」 |
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| | BGM:宮廷風の音楽 |
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| ジョイ | 「ようこそルイ13世号へ。ご主人様。わたしくはジョイ。あなたの忠実なメイドでございます。この船でのあなたのお世話はすべて、わたくしがいたします」 |
| 霧子 | 「"スベタ"?」 |
| ジョイ | 「……"スベタ"、ではございません。"すべて"。上半身から下半身まで、あれもこれも、すべて! 命じられるままに。お好きに……」 |
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| 霧子(独白) | 「ゴスロリ系のフランス人形。そんな感じの美少女が、命じられるままにお好きにって……ふっ、少しドキドキした」 |
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| シルエット | 「うぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉ。ジョイは人間じゃな〜い。それは、人形でぇす。だぁ〜う、だ〜う。アイガ〜ング(愛玩具)とでも申しますかぁ〜。ねっ、おわかりでしょっ?(巻き舌で。以後同じ)」 |
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| 霧子(独白) | 「シルエット侯爵の説明。アイ、ガン、グゥ〜(愛玩具)……なんだそれ? 愛しい、オモチャ?……」 |
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| ベロベロ | 「ベ〜ロベロベロ、ベロベ〜ロぅ〜♪」 |
| シルエット | 「お〜ぅ、のぅっ!」 |
| ベロベロ | 「ベロッ」 |
| シルエット | 「こらっ、ベロベ〜ロ!」 |
| ベロベロ | 「ベロッ」 |
| シルエット | 「ベロベロッ! なぁんだ、そぉの掃除の仕方ぁ〜は! 甲板はもっとこう、丁寧になめなさぁ〜い! そんなんじゃ、ジダンのヘッドバット食らわせますよぉ〜、もう!」 |
| ベロベロ | 「えっ?」 |
| シルエット | 「なめ残しあるじゃないですかぁー!」 |
| ベロベロ | 「ナメの腰……どんな腰だ? ナメって誰?」 |
| シルエット | 「おぉぅ、助詞交錯症候群だ」 |
| ベロベロ | 「女工作員! スパイがいるのかっ!」 |
| シルエット | 「おぅ、重傷だぁー! 言語同断症候群だぁ」 |
| 霧子 | 「あのぅ?」 |
| シルエット | 「あっ、なんだね、"あのぅ"とは? "あのぅ"とは、えっ、いったい何を指し示すぅ!? "あのぅ"は、園まりの親戚かぁ? "このぉーわた"の友達かぁ?」 |
| 霧子 | 「おっしゃっているのは、代名詞"あ"に格助詞"の"のついた連体です。"あの、赤い花"とか……。いや、あたしは"あのう?"と言ったんです。"あの"のうしろに"う"がついているんです。話のはじめに、ためらってつける、言葉です」 |
| シルエット | 「オゥ、ブラボォー! ブラボォー、あはははっ! 完璧です、素晴らしいですねぇ〜! "母は来ましたぁ、母は来たぁ〜!"」 |
| 霧子 | 「それは"岸壁の母"」 |
| ジョイ | 「あー、伯爵は寝不足になると、わけがわからないこと言い出すんですぅ。"ピョコン"」 |
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| 霧子(独白) | 「な、なんだ。その、"ピョコン"って? スカートのスソをちょっと持ち上げて、パンツをギリギリでチラリと見せる仕草……」 |
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| 霧子 | 「それ、なんの意味があるの?」 |
| ジョイ | 「えへっ、可愛いでしょ? "ピョコン"」 |
| ベロベロ | 「ベロベーロ。やめれぇー、やめてくれぇ! "ピョコン"。やめれぇー、やめてくれぇー! おまえは、そんなことをしちゃいけないよ、ジョイ。おまえは、その気品と愛らしさで、人間の心を豊かにするために生まれてきたんだ。そんなふうに、こびへつらったら、人間の心はゆがむだけだっ! あっ、ぼくは悲しい……」 |
| シルエット | 「おぅー、ポエムいきまぁす。世界はすでにゆがんでいるんだぁ。ゆがんだ世界はゆがんだ心の映し鏡。鏡よ鏡よ鏡さん。わたしはどーーーして、こんなに傷つくのかしらぁ? って、舐めんなっ!! 傷つくことだけ上手になりやがって! 消え去れ、バカどもーー!」 |
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| | SE:轟音と雷鳴 |
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| 霧子(独白) | 「黒雲の中に稲妻が走った。瞬間、世界が爆発したようだった。すべてが黒と白に塗り分けられた、シルエットの世界となった……。ふたつの価値感。"善と悪"。"勝ち組負け組"。"出来るヤツと出来ないヤツ"。……迷う道すらないのだろうか……」 |
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| | BGM |
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