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ICON デビルBOX 第64回 第2章 〜涅槃(ねはん)〜 その2
タイトルコール「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第2章 〜涅槃(ねはん)〜 その2」
語り「想いは疾走する。
 時には、思わぬ早さで、それは駆け抜ける。
 そして、同時多発的に、ひとつの想いが伝播する。
 そのことを時代という。
 ぼくたちはいま時代を駆け抜けている。
 強い想いを持って、ぼくと同じ想いの人間と接続するために……
 (レイ・グリーンの日記より)」
 
霧子(独白)「あたし、霧子。フォツグの"霧"にこどもの"子"。
 19歳、独身。職業、昨日まで会社員。
 今日からフリー。……っていうか、失業した。貯金50万。
 踏切に男が飛び込んだ。
 その夜、石田って刑事が来て、"事故はなかった"って。
 ウソだ。見たんだもの。それで、刑事はなぜか本を置いていった。
 眠れぬ夜に読むようにと。
 その本はどのページも真っ白で、最後のページに"NIRVANA"って書かれていた。ニルヴァーナ……涅槃。もうひとつの世界への扉……」
 
 SE:ヴーーーン!(雑音)
 
零時「こんばんわ。島崎霧子さん」
霧子「え、あ、こんばんわ……えーと、あれ? あ、あの、ここどこですか?」
零時「ここは、"クサナ"」
霧子「クサナ」
零時「はい。刹那の場所です。わたしが支配人の零時」
霧子「レイジ、さん……」
零時「はい。午前零時です。わたし、時間なんです。午前零時ジャストなんです。1秒前でも1秒後でもないんですよ。ジャスト零時」
霧子「は、はい。ジャストさん」
零時「いえいえ。"零時"。おわかりですか?」
霧子「で、こ、ここの"刹那"って場所って?」
零時「確認に質問で答えない! おわかりですか?」
霧子「わかりました零時さん。ここどこ?」
零時「切り口上ですね……霧子が切り口上。あははは」
霧子「質問におやじギャグで答えない!」
零時「はい。……ここは、まあ、もうひとつの世界へのロビーといいますか、おくつろぎいただく場所といいますか……」
霧子「"もうひとつの世界"って、どんなとこ?」
零時「それは、あなたがご存じのはず」
霧子「知らないわ」
零時「知らなければ、ここには来られないのです」
霧子「どーいうこと?」
零時「"もうひとつの世界"への扉は、それを心に描いた人間しか開けることは出来ません」
霧子「で、でもわたし、"もうひとつの世界"なんて知らないもの。ぃや、ほんと、マジ知らないんだよ……」
零時「思い出すことです。思い出すまでこの先へはお通し出来ません。では、御用の時は、その呼び鈴を鳴らして下さい……」
霧子(独白)「そういって、午前零時はスーーっと遠くへ消えていった。閉ざされた部屋。30畳くらいの。部屋は赤のグラデーション。テーブルもイスも呼び鈴もみんな赤い。窓も扉もない。え? あたし、閉じこめられたってこと? えっ!? おーーーい! ここから出してよぉっ! "もうひとつの世界"なんて知らないよぉっ!」
 
 BGM:テーマ曲スタート
 

●配役/タイトルコール、島崎霧子:横山智佐/午前零時:山口勝平
/語り:広井王子


●ドラマ終了後のトーク
 ドラマが終わると、一同は「不思議な話になってきましたね」と感想を語った。新しい人物が登場し、場面は一転ファンタジーになったと話している中、広井さんは今回の採用はがきを紹介した。

●出演はがき
◆黒百合さん(千葉県)
「午前零時の男」
 その男は、想い出の小箱に宿っている。こころの秘密を知る男。

 横山さんは「なんか、『不思議の国のアリス』みたい」とコメント。

 広井さんは、"午前零時"という、時間自体を名前にしたアイデアを「面白いよ、これ!」と絶賛。

◆バックファイアーさん(東京都)
「クサナ」
 "刹那"の意味。瞬間の時、その場所がある。梵語。

 横山さんは、子供の頃に「こういう処に行っちゃったらどうしよう!?」と考えて、よく不安になっていたそうだ。

 話を聞いた広井さんは、「でしょう?」と得意そうに「子供の頃は、みんな思うんですよ」と言った。

 山口さんもこういう思いに囚われた事があるようで、子供の頃に風邪とかで学校を休んでひとり部屋にいると、「フスマかスッと開いて、どっかにつれていかれちゃうような気がして、……怖かった」と語った。

◆山なし、意味なし、落ちもなしさん
 思いっきって今までのストーリー枠から離れ、宇宙の彼方にトリップしてみてはいかがでしょうか? たとえば『2001年宇宙の旅』みたいに、地球を離れて300年位たった大型移民用宇宙船の航海話とか、突如"HAL9000"のようなマザーコンピュータの暴走により、歪な地球の記憶を吹き込まれて、迷走するクルーの話とか。

 横山さんは、この投稿があったから「急に、色んな処いっちゃったんだ」と納得した模様。

 広井さんは、『2001年宇宙の旅』の中にあるいつくかのシーンを紹介しつつ、「もしかしたら、それは"記憶"なのかもしれないよね、未来の,」と話し出した。

 広井さんが言うには、「死ぬ瞬間、(三途の川を渡る舟に乗る前に)ロビーに待たされている気がするんですよ」とのことで、どうやら子供の頃そういうのを何らかの瞬間に見てしまうので「怖い」と感じるのだと説明した。



2006年7月1日放送マル天ダイジェストはこちら



  『2001年宇宙の旅』
 スタンリー・キューブリック監督、アーサー・C・クラーク脚本(キューブリックと共同脚本)のSF映画の名作。1968年4月6日にアメリカで初公開されたが、当時は難解しすぎて興行成績は振るわなかった。但し、その映像技術はズバ抜けていて、演出もそれまで機械的な音楽が主流だったSF映画にあえてクラッシック曲を使うなどした。テーマ曲がシュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』なのは有名。
 
 


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