| タイトルコール | 「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第2章 〜涅槃(ねはん)〜 その1」 |
| 語り | 「想いは疾走する。 時には思わぬ早さでそれは駆け抜ける。 そして、同時多発的にひとつの想いが伝播する。 そのことを時代という。 ぼくたちは、いま時代を駆け抜けている。 強い想いを持って、ぼくと同じ想いの人間と接続するために…… (レイ・グリーンの日記より)」 |
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| 霧子(独白) | 「あたし、霧子。フォッグの"霧"に、こどもの"子"。19歳、独身。職業、昨日まで会社員。今日からフリー。っていうか、失業した。貯金50万。切ない。遊びすぎたぁ……。さて……」 |
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| | SE:踏切の警告音 |
| | SE:電車が通過する音 |
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| 霧子(独白) | 「地元の商店街に行くには、この"開かずの踏切"を渡らねばならない。もう、かれこれ20分、ひっきりなしに電車が通過している。……ふう。と、ため息をもらしたとき、隣の男が踏切をくぐった。"あぶない!"って言うまもなく、電車がその男をあの世に連れて行った。最悪だ……」 |
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| | SE:踏切の警告音が大きくなる |
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| 男 | 「……ニュースの時間です。本日、午後2時20分。葛飾の踏切で、電車が急ブレーキをかけ、乗客10数名が軽いケガをしました。乗務員は、"なにか黒い影が電車にぶつかったので緊急停止した"と語っていますが、警察の調べでは、現場にはなにもなく、電車にも損傷らしきあとがないということです。この乗務員は夜勤明けということで、近く、勤務状況を……」 |
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| 霧子 | 「(前のセリフに被って)うそだ……だって、あたし見たよ。飛び込んだじゃん! 男の顔しっかり覚えてる……えっ、どうなってんの? なに、なんかの冗談? ……うっそだ」 |
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| | SE:ピンポン(チャイムの音) |
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| 霧子 | 「はっ、びっくりしたぁ! ……あ、はい、誰ですかぁ?」 |
| インターホンの声 | 「あの、島崎霧子さんのお宅ですか? 警察のモンですが。実は、今日の踏切事故のことで、2、3伺いたいことがありまして……」 |
| 霧子 | 「あのぉ……あっ、のぞき穴に警察手帳見せていただけますか?」 |
| インターホンの声 | 「あぁ、はい。ふっ、どうぞ……」 |
| 霧子 | 「あぁ〜ら、本物だ……いま、開けます」 |
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| | SE:鍵を開ける音 |
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| 刑事 | 「ふっ、警視庁の石田です。2、3うかがいことがありまして」 |
| 霧子 | 「あの踏切の飛び込み事故のことでしょ?」 |
| 刑事 | 「えっ、飛び込み事故?」 |
| 霧子 | 「はい。あたしの横にいた男の人。えぇ、そうだな、40歳ぐらいかな。あぁ、はい、暗い目してました。で、思い詰めたっていうか。あの、このあたりで見ない顔だったですね」 |
| 刑事 | 「その男が、飛び込んだんですね?」 |
| 霧子 | 「……はい。目の前で。あの、電車が引きずっていくのも見ました。で、気持ち悪くなってすぐ家に帰りました。それで、ニュース見たら、単なる電車の事故だって……あれね、飛び込みでした!」 |
| 刑事 | 「あのねぇ、電車には何かに接触した跡はないし、現場に血の1滴も流れていません」 |
| 霧子 | 「……そんなバカな。いや、たしかに見たんです!」 |
| 刑事 | 「何か薬とか服用なさっていませんか?」 |
| 霧子 | 「飲んでません。いやだ、あたしを疑ってんですか!」 |
| 刑事 | 「いや、あっ。これ、差し上げます」 |
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| 霧子(独白) | 「刑事がいきなり本をくれた」 |
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| 霧子 | 「これは?」 |
| 刑事 | 「眠れぬ夜に読む本です。また、明日うかがいます。失礼しました」 |
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| | SE:ドアが閉まる音 |
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| 霧子(独白) | 「刑事が帰っていった……。その夜、不思議な体験をした。寝ようと思って電気を消すと、窓の外が妙に明るい。ちょっと怖くなって、刑事からもらった本を開いた。本の中は……真っ白だった。ページをめくっても、めくっても、真っ白……最後のページに"NIRVANA"……という文字があった。"ニルヴァーナ"……なんだろう?」
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| | BGM |
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