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ICON デビルBOX 第55回 第2章 〜接続〜 その6
タイトルコール「連続ラジオドラマ、デビルBOX 第2章 〜接続〜 その6」
語り「想いは疾走する。
時には、思わぬ早さで、それは駆け抜ける。
そして、同時多発的に、ひとつの想いが伝播する。
そのことを時代という。
ぼくたちはいま時代を駆け抜けている。
強い想いを持って、ぼくと同じ想いの人間と接続するために……
(レイ・グリーンの日記より) 」
 
 SE:少し遠くにシャワー音(以下、ずっとシャワーの音が聞こえる)
 SE:ピリッピリッピリッ、ピリッピリッピリッ……(携帯の着信音)
 SE:ピッ(携帯のボタンを押す音)
 
ミチル「あ、はい。ミチルです」
「川谷が、病院から失踪したらしいな……」
ミチル「はい」
「あちら側に寝返ったのなら、殺してかまわんよ」
ミチル「その事実はありません」
「娘を確保しているのだから……かまわん」
ミチル「あの子が川谷さんの血族だという証拠はまだありません」
「では、確かめろ」
ミチル「ん、ああ、しかし……!」
 
 SE:ブーーン(ノイズ音が段々大きくなる)
 
ミチル「ちっ! 嗅ぎつけやがったか……。出てこい! 悪魔!」
 
 SE:ドーーン(悪魔出現音)
 BGM:不穏な音楽
 
悪魔「ほう。おれ達がわかるんだなぁ〜」
ミテル「耳障りで薄汚いノイズだ! クソ野郎!」
悪魔「あっはぁ、だが、知らない方が良かったってこともあるぞ?」
ミチル「ふんっ、それはお前達とて同じ」
悪魔「はっはー……。まだ殺すわけにはいかない……。少々痛めつけよう。はぁーーーっ!」
 
 SE:ゴーーーー(炎が燃える音)
 
ミチル「物質反転!」
 
 SE:ヴヴヴヴヴ……(ノイズ音)
 BGM:音楽段々消える
 
ミチル「口ほどにもない……」
 
 SE:シャワーの音が止む
 SE:バスルームのドアが開く音
 
鮎子「ああ、いいお湯だった。あ、お先にすみません……」
ミチル「ああ」
鮎子(独白)「どうしたのだろう。ミチルはさっきと別人のような顔つきだった。何かあったのだろうか? 険しく荒々しい獣がそこにいた」
鮎子「あ、お水、わたしにも下さい」
 
 SE:水を注ぐ音
 
鮎子「なんだか、おかしいですよね……」
ミチル「なにが?」
鮎子「だって、昨日まで、見ず知らずの人だったのにね。マンションに泊めてもらって……お風呂に入って、こうしてソファに並んで、お水飲んでる。ここに誰か入ってきたら、恋人同士だと思われちゃいますね」
ミチル「あ……そうか、気がつかなかった。すまん」
鮎子「あ、いいえ。そういう意味じゃないです。ミチルさんみたいな人が恋人だったら、いいだろうなって思います」
ミチル「そういう感情はもうない。誰かを愛する感情を無くした」
鮎子「……うわーぉ! 突然、シリアスな台詞ですねぇ……(ちょっと引きぎみ)」
ミチル「鮎子をここに泊めているのは、川谷さんの娘だからだ。川谷さんには、ずいぶん世話になった。それに……ん、……まあ、いい」
鮎子「それに……なんなんですか?」
ミチル「いや、いい」
鮎子「言いかけたこと、途中でやめないで下さい」
ミチル「可愛いから」
鮎子「あ、あはははは。ん、またまた、冗談(戸惑ったように)」
ミチル「さて、おれもシャワー浴びるかな」
鮎子「あれ、ミチルさん、そのシャツ……後ろが焼けこげてます。どうしたんですか?」
ミチル「え? あぁ。さっきお湯沸かしたとき、ちょっとぼーっとしていて焦がした。ふっ、このシャツ、もうダメだな……」
鮎子(独白)「ウソだ。お湯なんか沸かしてないもの……なんだろう。あの焼けこげは……そのとき、首にかけたペンダントがまた熱くなった……わたしの感情が不安定になると、このペンダントは熱くなるのだろうか? このペンダント、なんだろう?」

●配役/タイトルコール、鮎子:横山智佐/ミチル:山口勝平
/語り、男、悪魔:広井王子


●ドラマ終了後のトーク
 ドラマが終わると横山さんは「ペンダントの謎はまだ解けませんね〜」と言い、山口さんは「悪魔が出てきましたね」とそれぞれの感想を言った。

 広井さんはふたりの感想に頷きつつ、今回のドラマがゆっくり進んでいる事と、最後に疑問を残す事によりリスナーを惹きつけると話した。

広井「"引いて、引いて、引いてーー"みたいな。中々俺の原稿が進まないから、引っ張っといてーみたいな(笑)」
山口「あはははは」
横山「そうなの?」
広井「いやいやいやいやいや……」

 言葉をごまかす広井さんに、横山さんは今までなら大体このくらいになったら次の段階に進んでいたと鋭い指摘。

 それに対し、広井さんは「今回はじっくり行く」と明言し、キャラクターの背景やディテール(細部)を深く掘り下げながら話を進めると語った。

●出演はがき
◆春風の便りさん(東京都)
 最近聞き始めた新米リスナーです。デビルBOX面白いですね。スリリングで。もっと長く聞きたいです。

 広井さんは、「もっと長く聞きたい」というリクエストに「この短いのがいいのよ」と簡単に答え、「コレ長かったら、こんなに長く続いてなかったと思うよ」と付け加えた。

 山口さんは、横で「そうそう。長かったら広井さん毎回(台本)書くの大変だからね」と頷きつつフォロー。横山さんは「ま、何回か手書き(の台本)を読みましたからね!」と舞台裏を語った。

で、投稿です。

「悪魔のノイズ」
 悪魔が人間世界にいるときノイズを出している。それって悪魔の生体音で、人間の耳には聞こえないが、ミチルたちには聞こえる。

 山口さんは「うーーん、なるほどねー」と頷き、横山さんは投稿内容をコウモリに例えた。

 横山さんは、「偏頭痛とかおきたりしないのかな? ノイズをずーーーっと聞いてて」と疑問を持った様子。

 広井さんと山口さんはノイズの設定が良いと褒めた。

●投稿はがき
◆夜空さん(栃木県)
 「刹那」
 壊れたデビルBOXの新しい悪魔。見た目は恐いが、実は小心者。極端に争いを嫌うが、争いを起こす者をより嫌う。

 広井さんは、投稿を紹介しながらも「よくわからないんだ、コイツ」と身も蓋もないコメント。

 横山さんは「とにかく、争い事が嫌いなんだね。"刹那"なんて、なんかスゴそうな名前だけど」と話をまとめた。

◆れおんさん(東京都)
 「アクエス」
 黒コートに全身を覆っている。仮面をかぶっていて、手には大鎌を持っている。口調は丁寧で紳士的。何世紀にもわたって世界を監視し続ける幻の悪魔。しかし、監視しているだけで、一切世界に対して不干渉。

 横山さんが「見てるだけぇ〜」と何年か前に流行った焼肉のタレのCMで使われたコピーを口にして笑うと、広井さんと山口さんもいっしょに「見てるだけぇー」と言った。

◆輝鬼(かがやき)さん(東京都)
「炎魔ブレイグニル・氷魔フリグニル」
 二刀剣客ヴァルクスの持つ、ふた振りの剣に宿っている悪魔。

 広井さんは、投稿されている文字を説明し、それぞれの剣に悪魔が宿っている事を説明した。

 

2006年4月29日放送マル天ダイジェストはこちら



  大体このくらいになったら
 第1章では、だいたい平均で1シリーズ6話〜8話でまとまっていた。詳しくはドラマの目次をみてみよう。

こんなに長く続いてなかったと思う
 マル天は1994年9月からの放送開始以来、今年(2006年)で放送12年目になる。その間、ずっとラジオドラマは題名を変えつつも続いている、マル天の人気コーナーである。

何回か手書き(の台本)を読みました
 マルチ天国時代にやっていた『火星物語』では、広井さんが余りにも忙しかった為にしばしば見受けられた現象。当時の広井さんは、スタジオ内に入って打ち合わせの短い時間で台本を仕上げるという荒業もしていた。中には始め3行だけ書かれた"白い台本"というのが渡されて、当時のパーソナリティだった千葉繁さんと横山さんとでアドリブでドラマを仕上げる事もあった。有名なセリフの中に千葉繁さんが言った「"あと、よろしく"しか書いてないもの」がある。

 
 


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