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ICON デビルBOX 第29回 〜悪魔の密約〜その1
タイトルコール「連続ラジオドラマ、デビルBOX〜悪魔の密約〜その1」
語り「言葉は、あらゆるものを生み出す創造者である。

『はじめに言葉ありき、そして光あれと神は言った。闇から光が生まれ、光から天地が分かれ、海が生まれ、生命が宿る……』

おわかりだろうか、神は言葉なのだ。そして、これはあなたの物語だ(キリン・ウイリアムスの手帳より)」
あかり独白「デビルBOXは、海人が事故で死んだとき、あたしの首にかけられたペンダントヘッド。デビルBOXはサイコロで、危ないとき握って投げると、その出た目の悪魔が召還されるの。悪魔はあたしに、いろいろな想像を要求する。あたしの身につけたものや、想像したものをエネルギーにして戦ってくれる。
 1の目は『デリンジャー』、クイズ好きの答え。2は『ダブリー』、素直に頭に描いた事柄。3は『ビッグアンサー』、のろまな誘導を。4は『アッシュケマダ』、パンツを。5は『バツヌス』、愛のエナジーを。6は『ブリリアント』、キスを……要求した。
 そうそう、6の目は特殊らしく、もうひとり『パチモン』ってのも出た。今のところ、この7人のマイ悪魔を握っている……」
  
 BGM:神秘的な雰囲気
  
ブックバード(以下、ブック)「<クリスチャン・ローゼンクロイツの幻想>は『疑問』『双子座』『愛情』『愚直』『エロス』『接吻』『放浪』という、7つのイメージで構成された物語だ。主人公は恋人の事故を目撃したことから、神秘的な体験を手に入れる。突然嵐が起こり、そのまっただ中に、一面星空を散りばめた紺碧の衣装をまとった、壮麗な女性が現れる。
 彼女の手には光り輝くダイスが握られ、まるで主人公の運命を左右するかのように、そのダイスを転がす。ダイスには名が刻まれていた。その名は読み取ることが出来ない。そして歌が、大空にこだまする。すなわち、『ダニエルの4匹の獣』と『ネプカドネザールの3つの奇跡』であり、または『草原の5つの種』と『鷲とナマズの物語』。
 次に沈黙と悲しみの中で、6つの棺が現れ、6人の者が斬首され、その棺に納められる。翌日これらの者は、7人目のひとりとなって蘇る……」
あかり「不思議な物語ですね、ブックバードさん」
ブック「これは、1616年にシュトラスブルグで発表された物語だ。ここに表されているのは、世界は数字で出来ている、ということじゃ」
あかり「数字で?」
ブック「そう。聖なる数字"7"は、3つに分解されている。4と3は、東西南北と3つの宝。5と2は、5元素と天と地。6と1は、悪魔的なものと絶対者」
あかり「あぁ! そうか、6つのダイスの目に7人の悪魔がいるのは、そーいうこと?」
ブック「数字は運命ではなく、必然じゃ。その必然もまた変化しうるとこの物語は示唆している。ダイスによって、物語は変えられると……」
あかり「その本は、どの棚にあるの?」
ブック「その本はない。その本は記憶の中にある」
あかり「記憶の中に?」
ブック「ローゼンクロイツの血を受け継ぐ記憶の中に……」
あかり「その人は誰?」
ブック「偉大なる錬金術師にして、忌まわしい悪魔、そして崇高なる堕天使」
あかり「ブックバードさんも、その血を受け継いでいるのね」
ブック「……さて、そろそろ店じまいじゃ」
あかり「ありがとう。また来るね」
  
 SE:電車の通過する音や雑踏の音
  
海人「あかり……」
あかり「なぁに? 海人」
海人「ふっ、おれ……。最近、結構悪魔気に入ってる」
あかり「そう」
海人「この体、あかり以外の人には見えないし……。それに、なんだか戦っているうちに、大事なものってなんなのかってことが、判ってきたように思う」
あかり「どんな風にわかったの?」
海人「ん〜、なんていうのかな。ほら、人間のときはさ、男だからさ。その、キスしたいとか……ん、エッチしたいとか。わかるでしょ?」
あかり「わかんない」
海人「ん、そっか。……でもね、好きになるって、まずそーいう本能的なものがあるんだよ。だけど、それは入り口なんだ。ほんとに好きになるってことは、この人が大事だって思うことは、もっと違う感情なんだって気付いたんだ」
あかり「どんな感情なの?」
海人「その人を思う、幸福な感情。ただただ、幸福な……」

●配役/あかり、タイトルコール:横山智佐/海人:山口勝平/ブックバード、語り:広井王子


●ドラマ終了後のトーク
 横山さんは「なあに広井さん、どうしたの? 作家さんみたいですよ」と、感想を言った。横山さんは、7は聖なる数字、という設定を「広井さん作ったんでしょ?」と質問するが、広井さんは慌てて「いやいや、作ってないですよ!」と否定。聖なる数字の部分に感心していた横山さんは「じゃあ引用か、なぁんだ」とがっかりした。

 広井さんは、聖なる数字について話し始めた。ピラミッドにしても十字架にしても、数字を取り入れているらしい。三角をふたつ重ねた聖なる六芳星も、どこかに1を作るため点を入れたり対象者として自分を1と考えたりなどされている、と話した。理屈付けがきちんとされているそうだ。「神秘学っていうんですけどね」と広井さんは紹介。作中にも出てきたローゼンクロイツは、その大家(たいか)らしい。

●出演はがき
◆コバルトさん(東京都)
 「7つのイメージの物語。7つに分けられた物語が世界の運命を握っている。その物語を旅することで、世界を知ることが出来る」


 ここからイメージをとった、と広井さんは話した。あかりの話はひとつの物語で、もしかしたらデビルBOXが7つあるんじゃないか、と考えたらしい。横山さんは「壮大な話だな、おい〜〜」と驚き、「これ以上難しくなったらわからない」と困ったようだ。そんな様子の横山さんに、広井さんは補足説明をした。

 広井さんが構想しているのは、7つのメディアでそれぞれ物語を展開させることだそうだ。そのひとつが、ラジオでのあかりの物語ということらしい。「(ほかのメディアは)なにがあるの?」と質問する横山さんに、広井さんは「ネットもある、それからテレビがある、本がある。ねえ、いっぱいありますよ」と語り聞かせた。本もマンガと小説に分けると言い、舞台も口にした広井さんは「そうすれば、7つぐらい出来ます」と構想を膨らませていった。

◆秘密の扉さん(青森県)
 「幸福感は人間だけが持つ感情です。これは悪魔も天使も持っていません。幸福感の秘密を知ることで、悪魔と天使の戦いの謎を解けるかもしれないのです」


 横山さんは「おもしろい解釈ですね〜」とコメント。幸福感について山口さんは、最後の海人のセリフがお気に入りらしい。「すごい感動しました」と素直な感想を述べた。広井さんは、でも幸福だと思うことは難しい、とも話した。山口さんもそれに同意し、「なかなか人間って、嫉妬心とかそういうものがあるから」と幸福を思うことの難しさを語った。

 しかし横山さんは「私はわりと、こんなもんですよ?」と発言。広井さんに「人間として完成されてる」と褒められ、山口さんからも「卓越している」と賞賛された。ふたりから褒められた横山さんは「皆さんのような、ステキな幸せを手に入れてないだけかもしれない」と言葉を濁した。苦笑する山口さんに「思うだけ!」と言い切り、「いいの、届かなくても〜。ふふ〜ん」とおどけてみせた。


2005年10月22日放送マル天ダイジェストはこちら



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