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ICON 第104回 国境なき盗賊団
 
BGM:アダージョ(荘厳なパイプオルガンの音色)
 
男爵 「ご存じですか? 伯爵夫人? 」
伯爵夫人 「なにを?」
男爵 「竜でございます」
伯爵夫人 「竜」
男爵 「はい。竜を食べますと、いつまでもお若くいられます」
伯爵夫人 「ドルチェ男爵!」
男爵 「はっ」
伯爵夫人 「金に糸目はつけぬ、その竜を我が食卓に!」
男爵 「ははっ」
 
BGM:陽気なカントリー風の曲
 
グレース 「で、竜を欲しいって事かい(はすっぱな感じで)」
男爵 「そうだ。金に糸目はつけん」
グレース 「はははは。お笑い草だよ、まったく」
男爵 「何を笑うか、無礼者!」
グレース 「無礼者ときやがったね」
ジンク 「おいおいグレース。貴族様をからかうもんじゃないぜ」
グレース 「だって、あんまり世間知らずだからさ」
ジンク 「それでも金はたんまり持ってらっしゃるんだ。竜でもなんでも手に入れてさしあげるのが俺たち『国境なき野党団』のポリシーってものじゃないか?」
グレース 「わかったよ……だけどね、いいかい貴族の旦那。竜なんてものはそう簡単に手に入るもんじゃないんだからね」
男爵 「わかっておる。わかっておるから、ほれ、こうして金を……」
ジンク 「おーーー。おいおい、こりゃまあどうだ……」
男爵 「砂金、大袋二個じゃ。小さな町がひとつやふたつは買えるだろう」
グレース 「それでも……安いね」
ジンク 「おいおいグレース」
グレース 「うるさいね、ジンク。あんたは黙ってな」
男爵 「わかった。では、小袋を、もうひとつ。これでどうじゃな」
グレース 「……で、竜をどうするんだ?」
男爵 「さる伯爵婦人が、お召し上がりになるのだよ」
ジンク 「おえーーーっ! なんだって〜〜!!」
グレース 「竜を食うのか?」
男爵 「永遠の若さを保つ為にね。くくくく」
 
SE:降り続く雨
SE:ザッザッザッザッ(土を掘る音)
 
ジンク 「おい、グレース。やばくないか……」
グレース 「なにビビってんだよ。あたいたち盗賊だよ。世間のルールなんかあてはまらないんだよ」
ジンク 「世間のルールじゃないんだ。こりゃ、自然界のルールを破ってないか。竜の墓をあばくなんて……やばすぎる。たたりがあるぞ……」
グレース 「もうばかだね。死んだ竜がたたるかい! ささっと掘りなよ」
ジンク 「あう〜〜ん、もうけっ飛ばさないでよ〜。わかったよ、わかったって。はいはいはい、掘ります、掘ります」
グレース 「ばかぁ〜〜。どこ掘ってるんだよ。そこはあたしのお尻だろ」
ジンク 「えへへへ。掘りやすそうだったから……ちょっといいかなって……」
グレース 「取引が成立したら、いくらでも掘らせてやるよ」
 
SE:降り続く雨
 
ジンク 「ほっ! やっと! あらよっと! さ、急ぎましょ! 竜の死骸をね。ささっとあの貴族に渡しちゃいましょ。ああ、急がなくちゃ! ほっ、はっと」
 
BGM:アダージョ(荘厳なパイプオルガンの音色)
 
伯爵夫人 「ほう、これが竜の肉かい」
男爵 「御意」
伯爵夫人 「なにか、干し肉のようですね」
男爵 「はい、竜の肉は、なんでもすぐに乾燥してしまうようです。今宵は、煮込み料理にいたしました。ハーブとコショウの香りをきかせてあります。ど〜〜うぞ、お召し上がり下さい」
伯爵夫人 「では。……はむ……なかなかに美味でありますね」
男爵 「これで伯爵夫人は、永遠の美しさと若さを手に入れられたわけです」
伯爵夫人 「おほほほほほ。たくさん食べねばいけませんね」
男爵 「はい」
伯爵夫人 「うっ、ううううううう(苦しげに吐き戻して)」
男爵 「ううって? あぁぁぁぁ、伯爵夫人……いかがなさいました……あぁぁぁぁ、しっかりなさいまし。伯爵夫人!!」
伯爵夫人 「うくっ、うくっ、くっ、か、顔が、か、体が……熱い……うっ……苦しい……」
男爵 「うわあああ! もともと綺麗じゃなえけんど、溶けてる……顔も、体も……ぐずぐずに……うわあああ!」
 
BGM:アダージョ(荘厳なパイプオルガンの音色)
 
ジンク 「ああ、いい。ああ、すごくいい……はあ、はあ……うっ……」
グレース 「ねえ、ジンク?」
ジンク 「ん……(けだるそうに)」
グレース 「竜を食べると、本当に永遠の若さを保てるのかな?」
ジンク 「さあ。まだためした奴はいないし」
グレース 「試してみようかなぁ?」
ジンク 「やめとけ。グレースはいまのままで十分若いし、きれいだ。それに、本当の美しさってのは、年を重ねて作られる心の宿るもんだ」
グレース 「あんた……いいこというね!」
ジンク 「ああ、もう! 苦しいよ、しがみつくな!(内心喜びながら)」
 
BGM:陽気なカントリー風の曲

●配役/男爵:広井王子/伯爵夫人:豊口めぐみ/グレース:横山智佐
/ジンク:山口勝平/タイトルコール:横山智佐

●ドラマ終了後のトーク
 若さを保つ妙薬「竜の肉」に話題が集中。広井さんは、心のあり方しだいで、永遠に若さが保てる薬ではないかと推測。しかし、100人にひとりしか効果が得らなず、ほかが死んでしまうのでは、横山さんと山口さんは挑戦できないと言った。

 広井さんは、「考えてみれば、美容整形だって100対1みたいなもんじゃない」と極論。横山さんと豊口さん、山口さんは広井さんの意見に反論した。ひとり守勢に立った広井さんは、パーツだけ直しても心が醜いままの場合もあると主張。喧々諤々の議論が噴出しそうであったが、横山さんは「それはわかりません!」と強引に会話を締め、出演はがきの紹介へ。

●出演はがき
◆檄愛さん(東京都)
「竜は永遠の若さをもたらす」
◆クラウスさん(埼玉県)
「国境なく盗賊団は竜を獲物にしている」

●投稿はがき
ミディアさん(東京都)
メキシコ原産のテキーラの原料は、リュウゼツラン(竜舌蘭)から出来る。100年に1度花を咲かすと言われている。

●投稿はがきでのトーク
 このはがきが読まれると、あまりに素晴らしい設定に山口さんが本気に。すかさず横山さんが「ネタだよ、ネタ! 本当だったら、もっとテレビとかでやってるって」と激しいツッコミを入れた。

 つづいて、広井さんの服装に話題がうつった。当日は、ピンクのズボンをはいて、花柄のシャツを着ていたらしい。広井さんは、「ピンクのズボンに花柄シャツは、70年代の定番なの!」とコーディネイトを説明した。

2002年5月25日放送マル天ダイジェストはこちら


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