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ICON 第102回 バビロン
   
  BGM:剣の舞
  SE:炎の音(台詞の途中から)
 
エレノア 「火の神、破壊の王者、アグニよ。その足下に口づけをして祈りを捧げる。わが王国1000年の繁栄を願い、あまた隣国の王族、貴族たちを地獄の業火に焼き尽くすことをお願いいたします。おお、アグニよ。あなた様こそ、この世に唯いつ絶対の神。わが体を捧げて申し上げる」
ジロード 「エレノア様……」
エレノア 「おお、ジロードか。いかがであったか?」
ジロード 「はい、隣国アッシリアは、我がバビロニアとの同盟に色よい返事をいたしませんでしだ」
エレノア 「そうか。それは、まあ、わかっていたことだがな……」
ジロード 「この際、いっきにアッシリアに攻め込み」
エレノア 「ダメだ! 我が国の軍はアッシリアの半分にすぎない」
ジロード 「しかし奇襲攻撃をもってすれば……」
エレノア 「このアグニの神が目覚めぬうちは、攻撃はゆるさぬ」
ジロード 「はっ」
 
  BGM:低く静かに淡々とした雰囲気
 
ザナウエイ 「おう、これはこれはジロード将軍、アッシリアからお帰りでしたか」
ジロード 「いましがた」
ザナウエイ 「で、いかがでした、あちらの様子は」
ジロード 「同盟の会談は不調」
ザナウエイ 「ほう、では、いよいよ戦争ですな。あはははは」
ジロード 「それが……エレノア様が……」
ザナウエイ 「アグニの神の許しがないと申したか……」
ジロード 「その通りだ、ザナウエイ卿」
ザナウエイ 「まったく、どうかしておりますな、ジロード将軍ともあろうお方が……」
ジロード 「どうゆう事ですかな?」
ザナウエイ 「軍の統帥権はあなたが掌握しておるのですぞ。エレノア様などの意見を聞かずとも戦争は……」
ジロード 「しっ! ザナウエイ卿! お声が高い。そのような事が王宮に聞こえると、反逆罪に問われかねません!」
ザナウエイ 「ほう。あなたはいつからそのようなふぬけになりました。以前は竜殺しのジロードと謳われ、若くして将軍の座につき、末は、この国の王たるお方と……我ら貴族院の方でも期待していたのですがね。エレノアごとき女狐に怯えるとは、とんだ見込み違い」
ジロード 「いや、違う! いまは戦争には時期が悪い!」
ザナウエイ 「では、時期が来たれば……」
ジロード 「我々が必ず立ち上がる! エレノア様の制止があっても……」
ザナウエイ 「貴族院でも期待しておりますぞ。では、また」
   
シャロン 「どうであった?」
ザナウエイ 「はいシャロン様。この国の軍は動きません」
シャラン 「確かかな、ザナウエイ?」
ザナウエイ 「はい。首を賭けても……」
シャロン 「では、こちらが攻める、奇襲攻撃じゃ。 ザナウエイ卿は、お早く財産をまとめ逃げれよ。 この国をアッシリアが占領した後に、あなたには、相応の地位と名誉が与えられであろう」
ザナウエイ 「はい。よろしく、あなたの王にお伝え下さい」
シャロン 「あはははは」
 
  BGM:戦乱の雰囲気
 
ジロード 「エレノア様ーーーっ! エレノア様ーーーーっ! おお、エレノア様、早くお逃げ下さい」
エレノア 「なんと言う事か……アグニの神よ……あなたは……このわたしを……そうか、ならば、そなたにやろう! 命をやろう。わたしの命を! わがバビロニアが永久に栄えるのならば、わたしは喜んで、そなたのものとなろう!」
   
  SE:燃える炎の音激しく
   
ザナウエイ 「シャロン殿……」
シャロン 「おお、ザナウエイ卿……ごきげんいかがすかな?」
ザナウエイ 「わたくしはいつまでこのような牢につながれるのです?」
シャロン 「ああ、一生ですかな」
ザナウエイ 「ご冗談を。バビロニアは滅び、あなたがたが支配者になられた。わたしは功労者ではありませんか!」
シャロン 「1度国を裏切った者を雇うわけにはいかない。 わたしは思うのだ。アグニの火に焼かれたエレノアは、きっとあなたのバビロニアを未来永劫に渡り、歴史の中に残すであろうと。バビロニアの名をね……」
ザナウエイ 「ここから出せーーー! 出してくれーーー!」

●配役/ザナウエイ:横山智佐/ジロード:山口勝平/エレノア:豊口めぐみ
/シャロン:広井王子/タイトルコール:山口勝平

●出演はがき
◆東京都/PN・さけやきさん
「竜の炎はアグニの神である」
◆愛知県/PN・花暦さん
「炎に焼かれたエレノアという古代王朝の女神伝説」

●ドラマ終了後のトーク

 山口さんは開口一番「悲劇だ」とひとこと、横山さんは「なかなか、渋い話だったね」とのこと。

 広井さんは"バビロン"という言葉が現在でも様々なことに使われる名前であると語り、それを受けた山口さんはバビロンという言葉に魅力的な響きを感じるとのこと。横山さんは「黄金のにおいがする」とコメント。

 広井さんによると"バビロン"と"アッシリア"は実際にはかなり年代が違うが、ネタとして一緒にしてしまったとのこと。

2002年5月11日放送マル天ダイジェストはこちら


  【バビロニアとアッシリア】
 どちらもメソポタミヤ文明に栄えた国の名前。その前後関係を簡略化して紹介すると以下の通りである。
 紀元前1980年代、初代バビロニア王国が建国。
 紀元前1960年代、ヒッタイトにより初代バビロニア王朝が滅亡。
 紀元前1100年代 、アッシリア帝国が形成される。
 紀元前600年代、アッシリア帝国は弱体化し、新バビロニア王朝が建国され、メディアと新バビロニア連合軍によって、アッシリア帝国壊滅。

【バビロン】
 バビロニア王朝の首都がバビロンである。
 旧約聖書にある"バベルの塔"、世界七不思議のひとつと言われる"空中庭園"、初代バビロニアの時代にハンムラビ法典の制定など、様々な物語の元となっている。
 
 

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