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世界はカオスに包まれている。そして「語り部」によって、その歴史を刻む。
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| ラベンダー |
「わたしはラベンダー。わたしをずっとかわいがってくれた持ち主のエリスは、あした結婚します」 |
| ぬいぐるみ |
「 ぼくはサルのぬいぐるみ。えーと、名前はない。 エリスはぼくのことを子どもの頃から、"おサルちゃん"と呼んでいた」 |
| ラベンダー |
「こうして毎日、毎日、窓辺にたたずんで、同じ風景を見つめています。
なにも変わらないようで、 実は毎日たくさん変わっているのです」 |
| ぬいぐるみ |
「そうだよな。俺も、みてみて、こんなにボロボロだー。ここのウチに来たときはさ、相当きれいだったんだぜ、エリスが5才のときから、かれこれ15年も前のことだ。あっそういえば、おまえさんがこの部屋に飾られたときの事は憶えているよ。たしか、5年前のことだーエリスが初めてデートをした夜、あんたはここに来た」 |
| ラベンダー |
「エリスは毎日、わたしにキスしてくれました。そして、たくさんの愛情をくれました」 |
| ぬいぐるみ |
「ああーそうだった。でもな、恋は熱病のようなものだ…… エリスが何度も俺を抱きしめて泣いたよなー、恋が終わるたびにさー、みてみろーこの服破れてるだろ……これはさ、1年前にエリスが振られたときに、俺を壁になげつけたんだよー」 |
| ラベンダー |
「見ていたわ」 |
| ぬいぐるみ |
「見てたのかいー、そうかい。じゃあ、そんな、悲しそうな顔をすんなよー
しかたないじゃないか、俺たちは、そーいう運命なんだから」 |
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SE:風の音 |
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| ラベンダー |
「 ああ、いい風だわー」 |
| ぬいぐるみ |
「 悲しいときは、風を心に入れるといい」 |
| ラベンダー |
「 風を心に?」 |
| ぬいぐるみ |
「 ああ、そうだよ。風は、ドラゴンの息だからな」 |
| ラベンダー |
「 ドラゴンの息なの? 風は?」 |
| ぬいぐるみ |
「 そうだよ。だから心が強くなるんだ」 |
| ラベンダー |
「 ドラゴンの息よ、どうかわたしの悲しみを拭ってください」 |
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SE:風の音 |
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SE:ドアが開く音 |
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| エリス |
「 ああ、窓が開けっ放しだったわ……」 |
| パパ |
「 エリース、早くしなさい。結婚式に遅刻なんてパパはいやだよ」 |
| エリス |
「 はーい、待ってて…… あ、といけない。お猿さん……長い間、心の支えになってくれてありがと」 |
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SE:キスの音 |
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| エリス |
「 それから、ラベンダーさん、いつも優しい香りをありがとう」 |
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SE:キスの音 |
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| エリス |
「エリスは幸せになるね」 |
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SE:ドアが閉まる音 |